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2009年09月07日(月) 
 LSDGのフライフィッシング部門のハイライトである大井川源流への泊まりがけ遠征が行われた。土曜日の朝4時に掛川市役所に集合し、井川に向かい、畑薙ダムからバスで二軒小屋へ。目的地にたどり着くまで5時間半を要した。着いてみれば、標高1400メートルの空気の爽やかさに長時間の移動の疲れも吹き飛んでしまったものだ。




 バスは砂利道を延々と走る。ときどき地面の段差や穴にタイヤが乗ってズシンと強烈な突き上げをくらう。バスは大井川に沿って断崖の上を走りながら高度を上げ、南アルプスの山ふところへと入っていった。途中の車窓からは聖岳の尖った山頂が青空の中にスッキリと見えた。




 二軒小屋に着いた時には皆はもう釣る気満々で、すぐに釣りの準備を始めた。本流組、西俣組、東俣組に別れる。ここで僕は重大なミスに気がついた。ウェーディング・シューズの右足用を2個持ってきていたのだった。



車のトランクには2組のシューズが入れてあり、新しいワンセットはいつもはトランクの奥にしまってあるのだが、チェコから持ち帰ってきたシューズを出しっぱなしにしてあったので、混乱したらしい。となると、右足には右足用のシューズを履けばいいのだが、左足にも右足用のシューズを履かねばならない。僕は愕然となった!これじゃあ指が痛くてまともに歩けない、つまりは釣りはあきらめるしかないと思ったのだ。で、試しに履いてみたら、これが何とか歩けそうなのだ。だが、長くは歩けないだろうなと思った。

 僕個人の不安は別として、スクールが始まり、川の徒渉の練習、魚の付き場の説明、プレゼンテーションの模範演技のあと、釣りが始まった。川の水は昨夜の雨の影響でささにごりで、水位は平水だった。というわけで魚の活性はきわめて高かった。後で聞くと西俣は崖崩れで川に入れず、東俣の魚はスレ加減で、濁りがなく、透明度が高いぶんだけ釣りづらかった。ところが、本流はちょうどいい濁りのおかげで状況は抜群に良かったとのことで、大型のイワナが流心から何度もフライに出たそうだ。
 この日、僕はS山君と一緒にK原さんとN川さんに付き添った。そしてあるときK原さんに初めてのイワナが釣れた!
「キャーうれしい、釣れちゃったよう」
と彼女は子供のようにはしゃいで、逃げるイワナをやっと手に持って写真に収まったものだ。
 生涯初めての鱒を釣った時には、アメリカでの話だが、おめでとうとみんなから祝福され、握手攻めにされることになっている。で、僕のスクールでは「アマゴバッジ」を贈呈することにしている。
 この日、本流では尺以上を2匹も釣った運のいい受講生もいたようだ(M山さん)。




 この日の夕食は山小屋にしては豪華な物が出て、食後のテラスでの宴会は大いに盛り上がった。持参のシュナップス(40度)が旨く、評判が良かった。シュナップス専用のボヘミアグラスで一気飲みの回し飲みとなって、アッと言う間にビンが空になってしまったのには驚いた。一気飲みのたびにイッキ、イッキと拍手が湧いたナ。学生に戻ったような気分だったなあ。あとは、旨いワインが出て、さらに、部屋に入って酒盛りはつづいた。僕は早々に逃げ出して寝てしまったが・・・。



 二日目。昨日ほどではないが、イワナは釣れ続けた。終わってみると、全員にイワナが釣れていたのだ!しかもM尾さん、M山さんは今回生まれて初めてイワナを釣ることができた。皆さん、オメデトウ1
 この日、僕はS木さんに付き添った。彼はキャスティングが上手になったほうなのだが、テイリング・ループに悩んでいた。そこで、キャストの開始スピードを落としてストロークの途中で次第にスピードを上げるように教えたらテイリングはピタリと収まり、リーダーもまっすぐに伸びるようになった。そして、少なくとも3回はいいカタのイワナがフライに出た。だが彼は合わせられず、釣ることができなかった。彼は何度天をあおいだことか!ワカル、ワカル、そんなことを繰り返しながら釣りを覚えていくものなんだよ。悔しければ悔しいほど釣りは上手になるものなんだから・・・。
 最後の写真は僕が釣った”品のいい”(やや寂しいが)25センチメートルのイワナ。




 今回の釣行は100点満点だった!天気良し、渓相良し、水位水色良し、釣果良し、宿・食事良し、酒良し、人の和良し・・・。帰るときには皆の顔には笑顔があった。僕も十分に楽しみ、心からの愉快を感じていた。これほどすべてが完璧なことはきわめて稀なことだ。僕の足も痛まずにすんだことだし、ハハハ。S藤さんが僕に
「スクールやってきてほんとうに良かったですネ」
と言ったことがすべてを物語っていた。
コーチ、スタッフの皆さん、そして受講生の皆さん、お疲れ様でした、そしてありがとうと言いたい。

 掛川駅までS藤さん、Y中さん、Y川君が送ってくれた。駅に着いて車から出て歩いたらとムッとする暑さと高い湿度で、みるみる汗ばんできた。そして、ほんの数時間前まで、爽やかな空気の中で渓流の冷たい水に立ち込んで竿を振っていたという事実がにわかに狂おしいほどにいとおしく思い起こされたのだった。 

閲覧数1,448 カテゴリ日記 コメント25 投稿日時2009/09/07 19:30
公開範囲外部公開
コメント(25)
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これより以前のコメントを見る
  • 2009/09/09 08:41
    スギ爺さん
    あの~ゴッツさん。
    ネット上で告白って・・・・・

    今後も懲りずにお誘いくださいね!(笑)
    次項有
  • 2009/09/09 09:41
    ゴッツさん
    笑笑笑
    ど~せオイラ達にはあり得ん話だし~
    セクハラって言われんようにしんとね~(^^)
    去年のテンカラサミットでもパネラーの皆さんが「女性の釣り師を増やさなきゃ釣り界の将来は暗い!」なんて、盛んに力説してたな~(^^)
    ”老いてなお盛ん”
    みんな元気でい~こんだ。
    次項有
  • 2009/09/09 10:08
    鉛筆狂四郎さん
    サトヤンさん
    お疲れさま。
    了解です。
    来年もシュナップスを持って行きましょう。
    次項有
  • 2009/09/09 10:12
    鉛筆狂四郎さん
    うわさの”さっちゃん”とはどんな子かなあ。
    僕も一度会ってみたくなったなあ。
    次項有
  • 2009/09/10 16:39
    さん
    お名前:マツヤマ

    久々にパソコンに座ったらこんなにコメントが!
    参加したいマツヤマです。
    先生ありがとうございました!
    本当に天気よし人よし釣りよし大自然よしと
    何拍子も揃った素敵な釣行でした。

    シュナップスもするりと喉を通って
    釣りの時の瞬間と違った緊張の後の開放感が
    忘れえぬ夜でした。ありがとうございました。

    教室に入って、フライ練習してホントによかったなぁと
    しみじみ思いました
    次項有
  • 2009/09/10 17:06
    鉛筆狂四郎さん
    マツヤマさん
    お疲れさま。
    今回はね、よっぽど皆さん楽しんだようで、書き込みが多くてびっくりしているんだよ。
    いい釣りだったよねえ。
    マツヤマさんはバス釣りの経験があるから、他の受講生よりは格段に有利だし、上達するスピードも速いだろうね。
    たくさん勉強して、たくさん釣りに行くといいよ。オフ・シーズンには渓流を利用した管釣りがお薦め。
    お薦め釣り場:
    鹿留フィッシング・エリア、YGLやどりき、うらたんざわ渓流釣り場など。
    次項有
  • 2009/09/22 17:22
    さん
    お名前:マツヤマ

    官釣り情報ありがとうございました
    早速ググって出かけて見ます
    (冬の楽しみが増えて今から楽しみです)

    昨週末、飯田の奥の沢で岩魚一匹釣れました^^
    明日は遠山川にY川さん達と出かけてまいります
    たくさん勉強するのがとても楽しいです!
    次項有
  • 2009/09/22 18:13
    鉛筆狂四郎さん
    マツヤマさん:
    秋は大物が釣れる季節だからね。
    がんばってごらん!
    次項有
  • 2009/09/23 21:55
    ゴッツさん
    あれ~!?
    今日、みんな遠山川にいたのかな?
    オイラも午前中は”鬼のハウス”下、午後は上村川上流→中流にいましたよ。
    どこに入っても人・人・人、先行者ばっかりでした。
    結局イワナ1つっきし。
    お気に入りのロッホモア#3も穂先を折っちゃうし・・・
    帰りにイシグロで調べてもらったら、欠品で注文不可能!
    ちょうど同じロッドが中古であったので、即買い!!
    先週末は19土に天竜川水系三峰川支流に入りイワナ2・チビアマゴ5・レインボー1でつ抜けならず。ただしこれはテンカラのS木氏との釣行だったので自分もテンカラ。
    相棒と別れてフライ釣行に切り替え、20日午前中に阿智川(昼神温泉)に入るが全く釣れず、午後は遠山川に抜けアマゴ2。
    この時期は人も多く、魚もピリピリで渋かったですね。
    次項有
  • 2009/09/23 22:01
    鉛筆狂四郎さん
    ゴッツさん:
    ほほう、がんばっとるねえ。
    一つだけ言っておくと、両刀遣いだとどちらも中途半端でうまくならないよ。しばらくはテンカラ竿はしまい込んで、フライだけでやってみること!
    次項有
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