お名前:2号
週末は、コイ釣りもいいですね。
久しぶりに多摩川にコイ釣りに行った。今は亡き西山徹さんとよく一緒に行った場所に行くことにした。関戸橋から河原におりて歩く。多摩川は大水が出るたびに川筋が変わるので、昔、西山さんと通ったプールも今はない。だが、その近くに良さそうなプールができていて、ここでライズ待ちを兼ねて弁当をひろげた。が、コイのモジリやハネはあるもののライズは無い。コイ釣りはドライフライでライズを釣るのがおもしろいので、ライズを探して歩くことになる。1キロほど下流まで河原を歩いてみたがライズは見つからなかった。 途中、スペイキャストの練習をしているグループが居た。今はスペイキャストが流行っているようだが、何もスペイじゃなくてもオーバーヘッドでじゅうぶんなのにね。 ふたたび元の場所にもどると、200メートルほど離れたところで家族連れが石を川に投げて遊んでいた。これじゃあ神経質なコイはライズをしない。で、あきらめて移動することにした。 6キロほど離れた稲城の水再生センターの本流への流れ込みに行った。行くと、釣り人が二人いて、彼らから離れたところでコイのライズを発見!あの、コイ特有の、鼻と目だけを水面に出して、浮いたり、沈んだりしていた。そーっと、静かに、姿勢を低くして近づく。ライズの写真を撮る余裕なんか無かった。やっとキャストが届くところまで接近した。再びライズを確認すると、居る居る、これなら大丈夫。他の方向にフォルスキャストして最後にコイに向かってフライを落とす。あ、フライはコイの1メートル先に落ちてしまった。すかさずそーっとラインを手繰ってフライをライズ地点に持ってくる。コイは現れ、一度は別の方向を向いていたが、二度目に浮いてきたときにはフライを見つけ、目の前のフライをスッと吸い込んだ。すかさず、僕の右手が挙がる。掛かった!ズンと重い引きが伝わる。久しぶりのコイは強く、重かった。セージの4番9フィートはバットから曲がっていた。 寄せてきて、写真を撮るためにコイを左手に抱えて浅瀬に移そうとしたとき、コイはバシャと跳ねて5エックスのティペットを切って逃げてしまった。ははは、だから写真はない。だが、コイには触ったよ。55センチメートルはあったろうね。コイの体高はかなりあって、ニジマスの倍くらいあるからね、掴み損なったというわけだ。 結局、釣れたのは1匹だけだったが、じゅうぶん楽しめた。帰りにはあたりはすっかり暗くなり、多摩川沿いに帰るときには、土手の上をジョギングしたり、自転車に乗っている人をたくさん見かけた。 腹も減ったし、けっこう冷えたので、聖ヶ丘入り口の「銀龍」というラーメン屋に寄った。西山さんが「ここの前をよく通るんですが一度も入ったことがないんですよ。お客さんが多いから旨いんでしょうが」と言っていたことを覚えている。はいはい、それじゃあ、今回僕が代わりに食べて見ましょう、というわけだ。塩ラーメンとギョウザを食べた。なかなかにおいしかった。 多摩川にコイ釣りに来るといつも西山さんを思い出す。早死にしすぎなんだよね、まったく。天国にも川があって魚がいるといいね、西山さん。 |