コイ釣りの難しさと掛けた後のパワーを呼び覚まされ、僕はふたたび多摩川に行った。朝6時には起きて、9時には釣り始めていた。 期待をしていったにも関わらず、関戸橋近辺にはライズはなかった。橋からかなり下流に歩いた地点で、河原の土砂が積み上げられたような場所があり、そこではゆったりした流れになっていた。高い場所から見ると水中がよく見え、数匹のコイが悠々と泳いでいるのが見えた。これはサイトフィッシングしかないなと思い、蛍光グリーンのエボレスニンフ+ビーズヘッドを投げ、コイの目の前に沈んでいくようにした。なかなか難しかったが、ようやく1匹のコイがスーッとフライに向かっていき、吸い込むのが見えた。重いコイだった。釣り上げてみるとポットベリーの肥満体で、金色に輝くウロコが美しかった。体長は60センチほど。その後、弁当を食べ、橋の上流部でもう1匹釣れた。 だが、やっぱりライズを釣りたいので稲城大橋へと移動した。行ってみるとウィークデイでもあり、ライズがたくさんあった。ところがこのライズが釣れない!大の大人のベテランが必死になっても釣れなかった。ここのコイはほんのわずかのドラッグも嫌がり、フライをくわえない。僕はティペットを4Xから5Xに落としたがダメ。6Xにはするのはためらわれた。大きなコイを6xで寄せられるとは思えないからだ。途方に暮れ、ため息をつきながら空を見上げると美しいが変わった形の雲が青空の中に出ていた。 |