僕の自宅には小さな庭があり、キンモクセイが植わっている。そのキンモクセイの枝に小鳥が巣を作っていた。中身は空であった。 その巣は外径10センチ程度と小さく、小鳥の巣のようだった。 巣をよく観察してみると、材料には小枝、ビニールが使ってあり、外から見るとやや汚らしいが、巣の内部を見て驚いた。小枝が見事に敷き詰められて、とても居心地が良さそうなのだ。ふむ、ここで何個かの卵から雛が生まれて、飛び立って行ったんだな、と思った。 僕は野鳥の巣を近くでまじまじと見たのは初めてだった。小枝のしとねの幾何学的な美しさに感動さえ覚えた。 |