今日は中秋の名月だった。この日、相模原の磯部地区では恒例の行事がある。行事と言っても子供のためのものだが、だいたい、3~9歳ぐらいのこどもが何人かが連れだって家々に行き 「お月見くださいな」 と言って歩く。皆さん、承知していて、小袋に入れた駄菓子をあげることになっている。もらえば気がきいた子は「ありがとう」と言って、言わない子も多いが、子供達は持ってきたビニールの袋にもらったお菓子を入れて引き上げる。たいていは、母親たちが道路で待っている。 ただそれだけのことだが、医師会の集まりで聞いてみても相模原の他の地域ではそのような慣習はないようだ。相模原市は戦後にできた新しい町だが、磯部は江戸時代からある古い集落であり、いまだに「大山講」なんてものが残っているらしい。 クリニックでは駄菓子の子袋を100個用意していたんだが、1時間ほどでなくなり、あわてて門扉に貼ってあった「お月見あります」の紙をはがしたものだった。毎年、来る子供たちの数が増えているような気がする。 こんな慣習もいいものだね。 書き物がおわり、外に出てみると、満月がコウコウと中天に輝いていた。もう、空気はひんやりして、気持ちがよかった。 |