先日、わがクリニックに税務監査が入った。もちろん、開業以来12年目にして初めてのことであった。税理士さんの話では開業して3年ぐらいで監査があるような話だったが、ずっとなくて、ようやく12年目にして監査が来たわけだ。どうやら我がクリニックはあまり儲けていないと税務署から思われていたのかもしれない。 当日はボクと事務長(家内)と税理士さんが待ち構えているところに、約束の時間通りにピンポンとチャイムが鳴った。監査官は40代半ばくらいの方で、一人だった。名刺交換があり、見ると上席国税調査官との肩書きがあり、相模原税務署の個人課税第2部門所属であった。 いやあ、初めてのことであり、不安と緊張感を感じながら応対したものだ。彼はボクの出身とか職歴を聞き、このクリニックを開業するに至った経緯を詳しく聞いた。そんなことを聞いてどうするんだろうといぶかったが、聞かれることにはすなおに答えておいた。1時間位聞かれ、だんだん細かい話になり、ボクは対応できなくなり、事務長と税理士さんに任せることにした。調査官の人に聞いたら、あとはボクが居なくても結構ですとのことで、ボクは消えることにした。退散、退散!あとで聞いたら、彼は午前10時に来たあと、5時頃まで細かくチェックしていったそうだ。 どうせいくらクリニックの収支を調べてもたいした黒字にはなっていないことはすぐに分かるし、カワノブックスの収支も赤字で申請してあるし(事実、赤字なんだから)、追徴課税されることはまずないと思う。ウチは子どもがいないからやっていけるのであって、子供が居たら釣り道具もあまり買えないんだから。 税吏というとトルストイの小説に出てきたな、と思った。ほんものの税吏を前にして、そんなことを思っていたボクは、ちょっと不真面目だったかな。 |