ボクはかなり前からのビッグコミックの定期購読者だ。その最大の理由は「ゴルゴ13」なんだが、古くはカムイであり、三丁目の夕日(オリジナル)、最近ではラスプーチンも読んでいた。みな、ストーリーがしっかりしていて、作画も個性あるこなれたもので、チャチな小説よりはずっとましだと思う。 その中に「華中華、ハナ・チャイナ」というタイトルで、ハナちゃんというまっすぐな女の子が主人公で、いろんなチャーハンを作る連載漫画があった。ボクはその漫画を特に気に入って続きを読むのを待ち望んでいたというほどではなかったが、2月号では連載が途切れていることには気がついていた。そして3月10日号が今日届いて、編集部のページに西ゆうじ氏の追悼文が出ていたのだった。その文によると、西氏は作品の休載を良しとせず、最後まで力を振り絞って書いたそうだ。命日は2月6日、今月のはじめのことだった。絶筆となった連載分は1月25日号であり、その発売日は1月10日である。おそらく、亡くなる1ヶ月前まで書いていたのだろう。享年59。 うむ、立派な最期だと思う。日常を描いて読者を飽きさせず、応援したくなるような気分にさせてくれた西ゆうじ氏は並大抵の書き手ではない。