3月2日、T橋さんの情報に基づいて、狩野川はM橋に入った。すでに数人が釣っていて、アユ竿を持った餌師もいた。虫はそこそこ流れていたが、ライズはなく、川岸でライズ待ちの人も居た。ゆっくりと準備をしているうちに餌師があきらめて川から上がってきたので、入れ替わりにボクは川に入っていった。久し振りに触れる狩野川の川底は滑りやすく、こけないように慎重に進んだ。 しばらくして流れのひらきでもじりを見つけた。さらにポツッという静かなライズがあった。17番のストリームサイド・スペシャルを投入すると数頭目にヒットしたが、フッキングしない。つぎに19番に変え、ガガンボパターンに変え、さらに変えたが、ヒットはあるが乗らない!フライが合わないんじゃなく、流し方が悪いわけでもなく、単にスレているだけなのだった!時間がたち、寒さも感じだしイライラ感もつのっていた。ボクは意を決してニンフを使うことにした。ヘアーズイヤー18番。2度流して反応なく、タナを倍にして流したら釣れた!7Xのティペットなので慎重に寄せ、周りの視線を感じながらランディング。27.5センチメートルのアマゴだった。ストマックは消化物ばかりだった。 放流アマゴだが、ボクは嬉しかった。車にもどり、魔法瓶のコーヒーを飲む。うむ、うまい。周りを見回すと、来たときには気がつかなかったが、水仙が満開だった。 ボクの下流側で釣っていた若いカップルがいて、ことに女性のほうが綺麗なループで熱心に釣っていた。ボクは親切心と自慢のミックスした気分で、川岸から彼女に呼びかけた。「おーい」と呼ぶとこちらを振り向いた。「ボクはもう帰るので、ボクが釣っていたあのあたりに魚が固まっているから、そこに入るといいよ」と言うと、彼女は深々と頭を下げたものだった。”一日一善”、気分が良かった。 その夜は例によって仲間と一緒に、温泉、焼き肉パーティー。釣り道具自慢。四方山話・・・ いよいよ、シーズン開幕だ。 今年は出足がいいゾ! -つづく-