今年も恒例の狩野川解禁祝賀会が持越川ぞいの「いづみ園」で行われた。参加は11名。土曜は夕食会で、焼き肉だが、今回は川野持参の”義経焼き”もやった。これはジンギスカン鍋で、マトンを使い、味噌だれで焼くもの。酒もいろいろ出たなあ。ことにT橋さん持参の「獺祭(ダッサイ)」が旨く、ついつい飲み過ぎて酔ってしまった。
翌日、4日の日曜日。曇っていて、寒々としていた。皆で記念写真を撮って、解散。思い思いの釣り場に散っていった。
ボクはとりあえずカタを見たかったので、持越川に入った。ほんとうに久しぶりの渓流であり、やや違和感を感じながら、ウェーダーを着て、シューズをはいた。竿を継ぎ、リールを装着、ラインを通し、新しいティペットをつける。歩き出したら、石に乗ってヨロッとした。アブナイ、アブナイ。川でコケるのは解禁日と決まってるからね。
綺麗な流れだった。水晶のしぶき立つ、聖者のおわす清流であった。だが、岸辺には雪が残り、陽射しもなく、春の息吹が感じられなかった。アダムスパラシュートの16番をつぎつぎにポイントに振り込むがまったく反応がない。水温を測ってみると6.1℃しかなかった。
持越をあきらめ、11時半、大見川に向かう。そこの水温は9.7℃もあった。やる気も出て、いつものポイントに行き、水面を観察していたら、あった、あった、ライズであった。ただし、流心の向こう側の波の中のディンプルライズであった。16番サイズの濃いグレーのカゲロウがちらほら飛んでいた。何度かフライを流したらライズはピタリとやんでしまった。
その後2時頃にはすべてが終わって、冷たい風が吹き始め、寒くなった。終わりだな、と思った。やはり、春は暖かい陽射しの中で虫がたくさん飛んで、生き物の躍動が感じられる中で釣りをしたいものだ。この日は灰色で寒い1日だった。
狩野川本流をのぞいたが、やや増水、水温9.1℃。ライズなし。仲間がいるところに移動中、横瀬(修善寺大橋)で信号待ちしていたら、道の向こう側の電飾に、
「丸ボウズ800円」
と出た!ムッとして、何のことかとよく見ると散髪屋のカンバンであった。イイカゲンニシロとドナリたい気分だった。