小学校の同級生の女子が大学生のときにアメリカ人と恋に落ち、結婚し、サウスカロライナ州に住んでいて、今回東京に来ているので、この折りに関東在住の同級生が集まり、古希祝いをかねて夕食会となった。場所は横浜中華街の「龍華楼」というこぢんまりした菜館だった。参加者は男子7人、女子5人の、計12人。昭和30年に卒業したので、57年ぶりの再会だった。
ボクが通った小学校は九州福岡にあり、やや特殊な学校だった。当時の学芸大学、今の教育大学に併設されていて、1学年2クラスしかなく、1クラスは40名ほど。福岡市の西公園のふもとにあり、閑静で、楽しい学校生活が送れた。月見学芸会、藤見学芸会などの行事が多く、大学生が教生(教育実習)となって教えに来ていた。
担任のY野先生は怖い先生でね、ボクは悪い子だったので、よく立たされたし、ゲンコツをくらったこともある。だが、今回皆の話を総合すると、若くて、生真面目で、一生懸命の先生であったことがわかり、これまでは恨んでいたのだが、それはボクの見当違いの思い込みだったことがわかった。まだ、ご存命らしく、お会いすることがあれば、お礼を申し上げたいと思っている。
小学校でのことで、今も懐かしく思い出すのは、小学校からすぐ近くに、大学の校舎と西公園の裏の坂に囲まれた原っぱがあり、クローバーが一面に生えていた。気持ちの良い静かな美しい場所であり、ボクは気に入っていた。そこでは大学の音楽室(木造だったので音が外に漏れていた)で学生がピアノでショパンのワルツやノクターンを練習しているのがよく聞こえていた。ボクのショパン好きのルーツである。そこにボクは一人で行っていたのか、何人かで行っていたのかは、記憶に定かではない。ときどきは大学の校舎の中をおそるおそる探検気分でのぞいてまわったりしたものだ。
楽しい集まりだったなあ。料理も旨かったし、2次会にも行って、ずいぶんと飲んだ。帰りの電車ではあやうく乗り過ごすところだった。
この稿を書きながら思い出す映画があった。
ニューシネマパラダイス・・・
少年時代の甘い思い出・・・