ついにスキューズの「フライに対する鱒の行動」の翻訳が終了した!
長かったなあ、今回は。
始めたのが昨年の2月だったので、ちょうど1年かかったことになる。
これまでの「フライフィッシャーの昆虫学」「水に浮くフライとその作成法」の実質翻訳にかかった日数は3-4ヶ月だったので、その3-4倍掛かったことになる。
その理由は文章量が多く、内容が濃いこと。
翻訳終了の感想は、
ああ、こんな男が居たんだ・・・、という感じだ。
釣りばかりして、夏の週末はイブニング・ライズを10時頃まで釣って、結婚もせず、80歳で死んだ、片目の弁護士が・・・
そして、よく頑張ったと自分を褒めてあげたい。
実は途中で何度かギブアップしかけたこともあるし。
この本がボクの渾身の力作となったことはまちがいない。
この「フライに対する鱒の行動」には彼の釣りのことがぎっしり詰まっている。釣りの現場でいかに苦しみ、迷い、終には当たりフライに行き着いて鱒を掛け、川を走り、大鱒を取り込んだか、たくさんのエピソードが書いてある。それまでの教条主義的なフライフィッシングの過ちを指摘して、ほんとうのマッチ・ザ・ハッチの釣りを呈示している。フライフィッシャーマンなら一度は読んでおくべき本だと思う。
彼は暇つぶしの釣り人ではない。絶対に釣りたい人、たくさん釣りたい人、大きな鱒を釣りたい人であった。お金持ちが悠々と楽しむ釣りではなく、何が何でも釣りたい人であった。人生のすべてを釣りに費やしたと言っても過言ではないだろう。そんな稀代の釣りきちがいの話を聞いてみるのは、一興どころか、参考になる所が少なくない。
ま、これから一度翻訳文を読み返してチェックを入れ、印刷所に送り、校正、また校正推薦文の依頼、あとがきの執筆(スキューズの生涯、ハルフォードとの論戦のことも書かねば・・・)とやらねばならないことは多い。ま、本になるのは本年末かな。
まずは、杯をかかげてスキューズに乾杯といったところだ。
名代の純米吟醸酒を冷やでね。
しばし、余韻を楽しみながら、休憩!