9月19日、釣り3日目。今日は午前中は釣りをして、お昼頃には帰る予定だ。朝食は洋食であり、コケモモのジャムを味わって食べた。聞くと、コケモモは栽培しているそうだ。この時のウェイターがS藤さんであり、例の熱心なフライフィッシャーマンだった。話に花が咲いたが、彼に言わせても、この時期の27センチメートルはとても大きいと言ってくれた。ちなみに彼の雑魚川でのレコードは31.5センチメートルだそうだ。そして、この日の午前中には彼のおすすめで、雑魚川上流部に行くことにした。 9時頃にはホテルをチェックアウトしたが、H渕、S藤両君も見送りに来てくれ、玄関先で記念撮影となった。「来年は一番いい時期に来て下さい」と言ってくれ、「うん、うん、川もホテルも気に入ったから、来年また来るよ、6月の後半だね」と答える。 釣り始め、やっと1匹のチビイワナが釣れた頃から雨が降り出した。結構な雨でね。岩陰で雨宿りをしていたが、雨が降り込んでくるので、川に倒れた大木の下に移動した。雨は次第に大粒となっていき、ボクは釣りをあきらめて、車に戻った。雨は本降りになり、雨水は道路を川のようになって流れていた。 奥志賀高原から下って湯田中温泉に近ずいたころ、ボクは車を停めて、カーナビを奥志賀漁協にセットした。その理由は、皆、雑魚川のイワナは原種というが、本当に過去に一度も放流がされていないのかどうか、漁協組合長に聞きたかったからだ。また、放流事業をまったくやらないで、あのイワナが居る状態をどうやって保ってきたのか、それも聞きたかった。奥志賀漁協の住所に行ってみると、そこは、万来洞泉亭または笑門という喫茶店(?)であった。応対に出たのは組合長の奥さんで、本人は腰痛で寝ていて、起きられないそうだ。「雑魚川のことをお聞きしたくて寄ったんですが、それじゃあ無理ですね。イワナが原種なのかどうかお聞きしたかったんですが」と言うと、「主人達は、魚じゃなくて川を守ったんですよ。川を。県のほうからいろいろ言われながらもね」との答えだった。「そうですか・・・」とボクは返事をしながらも、その”川を守る”という意味がピンと来なかった。「何か、雑魚川のことが書いてあるパンフレットか何かあったら分けてもらえませんか」と頼むと、奥さんは探してくれ、1冊のパンフレットをくれた。それは、「あなたの釣り」創刊号であった。ボクはそのパンフを探していたんだが、手に入れることができないでいた。奥さんに感謝してボクは漁協を出た。 帰りは中央高速経由で帰った。クリニックにもどり、トリップメーターを見ると、関越経由での行きとピッタリ同じ、350キロメートルであった。あまりの一致に不思議な感じがした。 雑魚川の釣りは終わった。運にも恵まれ、いい旅だった。今年の釣りシーズンを終えるに当たって、ふさわしい釣りとなった。 「あなたの釣り」については、雑魚川追章といった感じで、このブログに載せることにしよう。