この一年ほど僕はDr.Tという歯医者さんに通っている。まだ若く、美人さんで、しかも独身である。 そこにかかる前は別の歯医者さんにかかっていたんだが、そこは丁寧ではあるが、麻酔が下手で痛いのが問題だった。それでも我慢をしながら通っていたのだが、ある時点でどうしようもなく痛いので、ついに僕は怒った。 「麻酔の腕も歯科医の腕の内だよ。神経ブロックをやってほしいな」 と言うと、 「ブロックはいろいろ副作用もあって・・・」 と言う。僕もシロウトではない。下顎神経のブロックぐらいで副作用が出るはずはないのだ。 「そうか、それではこれで終わりにしよう!」 と言って僕はその歯医者に行くのを止めた。だが、歯はまだ治療中であり、仮のものがかぶせてあるだけの状態なのだった。 困った僕はツテを探し、行き着いたのが現在の歯医者さんで、彼女は快く引き受けてくれ、いとも簡単にブロックをやってくれ、痛みを感じることなく歯の治療が終わったのだった。聞いてみると、彼女は北里大学病院の歯科口腔外科に勤務していたという。僕も北里関係者であり、グッと親密感も生まれたのだった。 僕は彼女の腕を高く評価しているし、信頼感も生まれた。おまけに僕は何度かゲイに身体を触られた被害者であり、その時の鳥肌が立つような不快感は今でもよく覚えている。だから、できれば男には触られたくないのである。そんなこともあって、歯医者の主治医が女性であるということは僕にとっては安心感があるのである。 そんなこんなで、僕はDr.Tを僕の歯の主治医にすることに勝手に決めた。Dr.Tのファンになったと言ってもいい。 Dr.Tのクリニックからは半年に一度葉書が来る。そろそろ歯のお手入れの時期なので受診してくださいという連絡だ。1週間前にその葉書が来たので、今日行って歯石をとって綺麗にしてもらった。 今日、診療が終わってDr.Tが、 「先生のブログ拝見しています。カナダ旅行は楽しかったようですね。ブログはとても面白いので、楽しみにしています」 と言われた、な。 今日は僕はとても気分がいい。歯もピカピカだし。 |