久しぶりにテレビに見入った。NHKハイビジョンを2時間たっぷり見た。テーマはイギリスのガーデニングだ。僕は植物を見るのは好きだが、自分で土いじりもしないし花を育てた事もない。 主人公はベス・チャットーBeth Chattoという85歳になるお婆ちゃん。50年以上かけて荒れ地を見事な庭園に作った。彼女の考え方はそれぞれの植物に合った育て方をしてきたこと。 それぞれの植物の綺麗なこと!ほんとうに伸び伸びと育ち、生き生きしていて、美しい花を咲かせていた。これはご主人が勉強した植物環境学のおかげだった。個々の植物が本来自生している場所の温度、湿度、降水量、日照時間、土壌などを認識して、その自然にできるだけ近い環境にして育てたからできたことだった。彼女は人工的に作り上げた品種は扱わない。自然の原種のみを使って庭を作り上げたのだった。 彼女の庭では世界中の自然で見られるのと同じ美しさの花が見られるのである。人の都合ではなく、花の都合に合わせていた。これは大変な事だと思った。 「野生の美しさ」というものを感じた2時間だった。人工の物なんて美しさはたかが知れている。彼女は自然の美しさを身の回りに再現したかったに違いない、と思った。 僕はNHKという放送局のあり方に批判的なのだが、ときどき時間と金をかけた良質の番組を放送するので、しかたなく見ている。日本放送協会は見たい人が支えるNPOにしたらどうか、と思っているのだが・・・。 |