今日は金曜日。診療は午前中に終わり、午後1時からは北里に行って電子顕微鏡を見た。診断が難しい脳腫瘍であり、電子顕微鏡での検討が必要だった。僕は8年ぶりくらいに電子顕微鏡を見るが、いくつかの手順を確認すれば、あとは自由に観察して写真が撮れた。難しいケースであり、この写真を現像して、ふたたび検討しなければいけない。

緑色の蛍光板とにらめっこする仕事であり、かなりの集中力が要る。オタクでなければ務まらない。
電顕が終わって403の研究室に行くと、出向していたT崎君が待っていて、病理標本を見てほしいという。彼のいる病院の診断は不十分で困っているそうだ。話を聞き、顕微鏡を見始めると診断はすぐに決まり、治療方針も決まった。珍しい脳腫瘍だが、あとxxxと○○○をチェックすれば、発表できるよ、論文にもなるかもしれない、と言うと彼はとても喜んでいた。
その後、5時からのカンファランスの症例をM崎君、Y井君と三人で顕微鏡を見た。担当のM崎君(女医)はまだまだ勉強しはじめたばかりで、僕の言ったことがどのくらい理解できているかあやしかった。果たしてカンファランスでは立ち往生し、僕が何度も助け船を出した。なかなかね、一人前になるには努力と時間がかかるものだ。カンファランスの写真は取り損なったので、またいずれ。