9月19日。天気は回復し、晴れ。北海道に来て初めて太陽を見た。暖かく、気分も良く、生き物の活性も上がるような期待があった。この日から二日間はガイドなしで、ボクとY田さんの二人で茶路川の上流部を釣った。
この茶路川は熊もよく出るそうで、前もって用意してきた熊よけスプレーの噴射実験を河原でやった。風向きをチェックして自分にかからないように、風下に向かって噴射した。発射すると赤っぽい霧のような物が塊になって4メートルほど飛んだ。能書きには8-9メートル飛ぶと書いてあったが、それほどは飛ばない。やはり、緊急用の、至近距離で使うもののようだ。
この日は8番サイズの大きなカゲロウが飛び、スピナーフォールも見た。そして、Y田さんにもボクにも次々とアメマスが釣れた。サイズは40~60センチメートルほど。印象深かったのはアメマスは40センチメートルでもとてもパワーがあること。突進するスピードはたいしたことはないが鉤がかりしたとき40センチメートルのアメマスでも5番のハーディのゼニスロッドを絞り込むほどに抵抗する。水中のある位置にじっとして動かないでいるというパワーがある。また、ランディングも要注意だ。浅瀬でも横にならないので、何度も深みに戻ろうとする。魚体も美しい。なにしろ天然魚なのだから!
茶路川には河原があって、ところどころに深みがあり、深み毎にアメマスが付いていた。入渓点から300メートルほど下流にある深みではモロにアメマスが見えていた。ここで数匹を釣ったが、午後3時半頃から急に濁りが入り出し、釣れなくなっていった。後から聞いた話では、上流部で工事をやっていたらしい。
この日は我々のアメマス初日と言っていいだろう。やっと気持ちのいい天候のもとで、まともな魚が釣れたのだった。夜に宿で飲む酒は格別だった。はじめはビール、あとはスコッチを数杯飲むと酔いがまわってきた。
深みの水底に数匹のアメマスの姿が・・・