4月27日。今日の予定は午前中は釣り。午後はバララットに行ってロナルズの墓参り、そしてリックの車で移動して山中のソーントンという地にあるリックのコテッジに行く。そこで2泊して釣りをすることになる。 この日は朝が早く4時にはガイド役のデイビッド・フェザーストーンが迎えに来るので我々は3時には起きた。デイビッドはVFFAの前会長で、たいへんな釣りキチだった。釣りはプライベートポンドに行くそうで、夜の白々明けの時間じゃないと釣れないという。 その池でデイビッドはブラウントラウトとレインボウを1匹ずつ、Y田さんがブラウントラウトを1匹釣ったが、ボクは2度フッキングしたがバレてしまった。他にだれも釣り人は居ず、我々3人の貸し切りだった。陽がのぼると食いはピタリと止まってしまった。デイビッドは明るく、冗談が好きで、一緒に居るのが楽しい人だった。3匹の獲物の前で横になれとデイビッドが言うので、そのようにすると写真を撮られてしまった。まったくのヤラセ写真である。 お昼前にはバララットというロナルズが最後に住んだ町に行った。そこは小さな、小綺麗な田舎町であった。昼食のあと、我々はお墓に供える花を買いに花屋に行った。そこには気の利いた品のいいオバチャンがいてネ、ボクはすっかり気に入って、彼女といろいろ相談してフラワーアレンジメントを作ってもらい、カードも添えることにした。添える言葉も彼女が書いてくれた。 バララットの町の外れの墓地にロナルズの墓はあった。大理石で作られたりっぱな墓だった。お参りをして、花を墓前に置いた。ボクにははるばるやってきたなあという感慨がわき起こり、ロナルズという男にあらためて思いをめぐらせたものだ。その後、ウェンダウリー湖を見て、デイビッドの家に向かった。そこでリックと待ち合わせだった。 デイビッドの家では釣り部屋に通されたんだが、それは驚くべき部屋だった。所狭しと釣り道具、写真、剥製、本がおいてあり、その量は尋常ではなかった。これだけギッシリと部屋中にモノがあるのは稀なことだ!ボクも世界中で釣り部屋を見てきたが、デイビッドのものは圧倒的だった。本も手作りで数冊出していた。 そして、ボクとY田さんはデイビッドに礼を言い、別れを告げて、リックの車でソーントンに向かった。2時間以上走り、かなり山の中に入っていったところにリックのコテッジはあった。そこはかなり気温も低く、薪ストーブがあるのが嬉しかった。夕食はリックがパエリヤを作り、なかなかの味だった。薪ストーブの前で、飲み、しゃべり、リックはパソコンで釣りの写真をたくさん見せてくれた。ふたたび酔っぱらい、朝が早かったせいもあってベッドに潜り込むとあっというまに寝てしまった。