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2012年05月14日(月) 

 4月28日。さて、リックのソーントンのコテッジに滞在し、オーストラリアの川での釣りが始まった。朝食はリックがハムエッグを作ってくれた。ここは標高も高く、空気は爽やかだった。
 釣りをしたのはゴールドバーン川で、コテッジのすぐ前を流れていた。なかなかいい川なんだが、問題はかなりの増水だった。平水より50センチメートル以上の増水だそうで、水は茶色に濁っていた。他の川も状況はほぼ同じらしい。となると、ゴールドバーン川の川幅が広がって居るところで、浅い場所を釣るしかなかった。天気はよく、ま、釣れなくてもしようがない、ハイキングと思えばいいんだと、釣り姿になって川岸の牧場地帯を川を見ながら歩きだした。
 ここオーストラリアにはユーカリの木が多い。ユーカリは樹高が高く、木肌が白っぽいのですぐわかる。ボクは草地を歩いて花や虫の写真を撮ったりして、のんびり過ごした。いくつか釣りのできる浅い所を釣ったが釣れなかった。この日の午前中はしばしの休息という感じだった。旅行ではこんな時も必要だよね。
 午後はミック・ホール氏に会いに行った。ミックはボクがロナルズのフライフィッシャーの昆虫学を翻訳するときに難しい古い英語を解説してくれた恩人である。どうやって彼と知り合ったかというと、ネットでロナルズに関して書いている人を探したところ、ミックに行き当たったのだ。彼にメールを送ると、ロナルズの本が翻訳されて日本のフライフィッシャーマンに読んでもらえるのはとても嬉しいことなので、何でもお手伝いするよと言ってくれたのだった。翻訳本ができたときにはもちろん彼にも1冊送っている。ミックに会って直接お礼を言うのも今回の旅行の目的のひとつだった。ところで、ミックはヨーロッパやオーストラリアでは名の知られたプロのフライタイヤーだ。
 ミックの家に行ってリックから紹介されたわけだが、初対面のような気がしなかった。はじめから打ち解けて話ができた。心臓の調子が悪く、何度も冠動脈の手術を受けたそうだ。ロナルズの話になり、彼は1冊の本を見せてくれた。それは1800年代に出版されたもので、ロナルズのフライフィッシャーの昆虫学必携と題し、ロナルズの本に出てくるフライを実際に巻いて1冊の本にしてあった!これにはボクも驚いた。1ページずつめくりながら見て行くと、見覚えのあるパターンがいくつも出てきた。ほんもののフライが紙に挟んで入れてあったので、紙が傷んでいるところも多く、フライも原型をとどめていないものもあった。そして保存状態のいいあるフライが目にとまった。
「ああ、これはわかるよ。ロナルズの本に出ていた図とそっくりだねえ」
と言うと、ミックはボクの目を見てニタリと笑った。
そのあとも古い本を見せてもらったり、ハーディーの親指にとりつけるタイイング用ルーペを付けてみたりした。また、その蔵書の多いこと、ことに古い本が多いの驚いた。彼の部屋はほんとうに宝の山だった。
 けっこう長居をしてしまったが、帰る時、ミックがこれプレゼントだよと言ってくれた物があった。見るとボクがわかるよと言ったあのフライだった。ボクは驚き、そして感激していた。ボクの宝ものがひとつ増えたのだった。
 記念写真を撮り、再度お礼を言い、ミック・ホールに別れを告げた。ミック・ホールは靜かで、控えめで、人なつっこい人だった。そしてその知識の深さは尋常ではない。元気で長生きしてほしいものだ。
 この日の夕食は3人でレストランにオージービーフのステーキを食べに行った。雰囲気はなかなか良かったが、実はステーキの方は肉の味がせず、イマイチだった。
 そして夜はいつものフライ談議が、薪ストーブの暖かさを感じながら、遅くまで続けられた。
 昨日のデイビッド・フェザーストーンといい、今日のミック・ホールといい、スゴイ人がオーストラリアにはいるもんだと、あらためて感じているボクが居た。










閲覧数587 カテゴリ日記 コメント0 投稿日時2012/05/14 16:13
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