昨日は西湖で思わぬハプニングがあってね。朝の5時半頃、石切というポイントで舟を岩盤に固定していたとき、舟がグラリと揺れて、中腰だったボクはあっと言う間に回転しながら頭から水面に投げ出されてしまった。水は冷たくはないし、すぐに船べりに手が掛かったので、船べりを舳先の方に移動して、岸の岩盤に這いあがることができた。いやあ、マイッタ、マイッタ。水風呂に入った気分だったなあ。陸に上がってすぐに取り出したのはズボンのポケットに入れてあった車のキーとカメラだ。携帯は防水だから問題ない。今時の車のキーは電子機器だから、水には弱い。すぐに振って水気を落とし、合わせ目を外して開いて乾かした。カメラのレンズの中には水が入っていた。これはキャノンのS90というお気に入りのカメラでね。これまでずいぶんと役に立ってくれたが、これで終わりかな。クリーニング兼オーバーホールを頼むとかなりの金額がかかるだろうし、それよりは最新型のS100を買った方がいいだろう。 釣りのほうはシブかったなあ。アタリはたくさんあるんだが、乗らない!20尺の天々なのでかなり深く、餌をやわらかくすると餌が下まで持たない。苦労したなあ。結局4枚しか釣れなかったが、カタは35~40センチメートルと良かった。暑い日が続いているし、雨も降らないし、食いが落ちているようだ。ベテランはこの餌の調合をどうやっているんだろうな。釣りの後、民宿「丸美」に戻ってきたら、バアチャンが 「先生、水に落ちたそうですね。大丈夫ですか、服は乾きましたか?」 と心配そうに聞く。 「岸付けの時に舟が揺れてね。水は冷たくなかったら大丈夫だよ。ちょっとびっくりしたけどね。服は即乾性だから、もうとっくに乾いてるなあ。パンツはまだ湿っぽいけどね」 「釣り道具は大丈夫だったんですか?」 「うん、人間だけ落ちたからね、釣り具はなくさなかったよ」 「それは、まあ、良かったですが。道具も高いんでしょうから」 「気をつけてくださいよ」 「ハイハイ」 バアチャンは、もう若くはないんですから、と言いたそうだったが、口をつぐんで言わなかったようだった。 帰りにはバアチャンが、おみやげに今日打ったソバをくれた。このバアチャンのソバが旨くてね、昨晩その話をしたら、ソバを打ってくれたというわけだ。今度丸美に行くときには何かお土産をバアチャンに持っていこうと思っている。 |