このところ、成底ゆう子の歌をよく聞いている。彼女のことを知ったのは先月のこと。雑魚川に向かう車の中でラジオを聞いていたら、成底ゆう子とヤナワラバーとかいう歌手たちが出ていて、どちらも沖縄の石垣島出身だと聞いて驚いたこと。そして、成底ゆう子の透明感のある歌声に引き込まれてしまったのだった。
相模原に戻った僕は2-3枚の成底ゆう子のCDを買い込んだ。僕の車のカーステレオはマッキントッシュで、音がいいので気に入っていてね、車に乗るたびに彼女の歌を聴いているというわけだ。
成底ゆう子の声はやや強く、やや鋭さを持っているが、その声には雑成分が少なく、そのぶん純音というか、透明感がある。丸味を持つやわらかい声ではない。だが、その鋭さが感情の高まりを強調し、歌の情感がより強く聴く人に伝わる結果になっている。また、歌い方は丁寧で、しかも、巧い。独特のコブシも効いていて、クライマックスではコブシが矢のように聴く人の心に突き刺さる。聴く人は魂をゆさぶられ、涙することになる。また、その情感は歌手の持つ寂しさや不安といったものからきているような気がする。ま、歌詞もそのようなのが多いけどね。聞いていて、”マリア・カラスが持つ悪魔の血の一滴”を思い出してしまった。カラスは限界を超えても、魂の歌を歌う、喉が壊れてもかまわない、という悪魔に魅入られた歌手であった。だが、こんな女とは付き合ってはいけない、付き合ったら最後、死ぬまで放してはくれないのだから、という声が聞こえてくるような気がする。
石垣島はボクにとって青春の思い出がぎっしり詰まった場所でね。そんなこともあって、石垣出身の歌手の歌を聴いているのかもしれない。それとね、ボクが好きだった石垣島の人の顔と成底ゆう子がケッコウ似ているんだよ。
では、You Tubeから1曲、お聴きあれ。
http://www.youtube.com/watch?v=eUjoI-nq4y4