11月17日、第108回東京脳腫瘍研究会が群馬大学医学部病理学教室で開催され、出席した。この研究会は1981年に当時東大にいた長嶋先生と僕とで始めたもので、今年、群大病理の中里教授(日本における脳腫瘍病理研究の中心人物)が定年退官になるので、研究会を群大でやり、中里先生に講演してもらい、夜は伊香保温泉で懇親会をやった。 日頃は都内で研究会をやるんだが、今回は特別の会であり、多くの方が前橋まで来てくれた。僕は車で前橋まで行った。 いい研究会だったし、中里先生の講演もとてもよかった。実は、先代の石田陽一先生は日本の脳腫瘍病理のフロンティアであり、WHO分類委員会の日本代表を務められた。30年ちかく前のことになるが、僕は石田先生にたくさんのことを教わった。きさくな先生でね、よく、「おい、川野」と呼び捨てにされたものだ。当時中里さんは准教授でね、僕と中里さんとは兄弟弟子のようなものだった。だから盟友である中里さんが定年なので、今回かけつけたというわけだ。その石田先生の定年の時(23年前)にも群大でこの研究会をやり、伊香保温泉で宴会をして泊まった。石田先生は伊香保温泉を案内してくれ、一緒に石段を登った。その石田先生も定年の翌年になくなってしまった。 今回の伊香保温泉での懇親会は群大の伊香保研修所でおこなわれ、その研修所は伊香保御用邸の跡地に建てられていた。よく飲んだなあ。寝たのは2時頃だったようだ。朝食の後は解散し、僕は一人で懐かしの伊香保温泉の石段を歩いた。モミジの落ち葉がたくさん石段に落ちていた。 古いアルバムを開いてみると、その石田先生と伊香保でやった懇親会の写真が出てきたので、お見せしよう。 向かって左がボク、右が故石田先生