5月5日、晴れ、ヘラブナ釣り3日目。
この日がボクの出雲でのヘラブナ釣りの最終日だ。1日中晴れて気温も上がり、暑いくらいになった。
そして、ボクには朝の1投目からアタリがあった。これはね、予想もしていなかったから、合わせもできなかったな。この日、ボクはトータルで19枚を釣った。サイズは32~40センチメートルくらい。小夜さんはマッシュの練りすぎのようで、浮きは急速に深く沈み、苦労していた。師匠が手伝って餌を作りなおしてから釣れるようになったようだ。それでも、いつものように師匠と弟子の漫才は続き、ボクはといえば、師匠からすこしほめられることもあった。
ボクは0.8号のハリス+鉤を20本準備してきていた。それが、大型が掛かったり、スレだったり、また近くの柳の沈み枝に掛かったりで、ハリス切れが多く、3日目の朝には3本しか残っていなかった。すかさず、師匠が現場でハリスを巻いてくれたのだった。
それにしても、F間先生の面倒見の良さ、気の使い方は尋常ではない。釣りのすべてをセットアップし、我々の餌を準備し、釣り方を教え(これがチト厳しいが)、自分は餌をたくさん打ってヘラを寄せるが、自分ではほとんど釣らないのだから。釣ろうと思えば釣れるのに、わざと合わせないで、ヘラをお客さんに釣らせてあげているのだった。このことを小夜さんは以前からよく分かっているので、キツイ事を言われても、言い返せないのだ。
この日の夜、「庄や」でボクの送別会を開いてくれた。といっても、実のところはボク持ちの「感謝の宴」であった。飲んだり、食ったり、小夜さんのぼやきが続いたり、とても楽しい宴になった。驚いたことにF間先生は下戸であった。そのかわり、よく食べていたなあ。
「3日間トータルで41枚は立派な成績ですよ、また、ぜひ、来てくださいよ。お待ちしております」
とF間先生から何度も言われた。ボクも「あの湖」の釣りはすばらしいので、また来たいと思ったが、朝が早く、夕方までタフな釣りが続き、最後にはまともに歩けないほどの足の筋肉痛になってしまい、再チャレンジする気力が来年あるかどうか、自信がなかった。
「はい、スケジュ-ルがあえば、ぜひ」
と答えておいた。
ヘラブナの桃源郷での釣りは終わった。
ボクは疲れてはいたが、幸せな疲れだった。
出雲のみなさん、お世話になりました!
心からの感謝を送ります。