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2015年02月05日(木) 

 今回は一般人はおそらく見たことがないもの(おそらく若い医者も見たことがないもの)をお見せしよう。それは麻薬であり、麻薬の代表格であるところのモルヒネだ。
 ボクのクリニックでは最強の鎮痛剤としてモルヒネを用意しているが、この15年間で使ったのは3回だけだ。いずれの場合もモルヒネを使った後はただちに救急車を呼んで患者さんは大きな病院に搬送している。相模原市は救急車がよく整備されていて、119番に電話すると5分以内には救急車が来てくれる。これだけ整備状況がよければボクが麻薬を使う必要はないように感じてきていた。
 おまけに麻薬は管理が面倒くさい。使用・在庫報告書を毎年出さなければいけないし、麻薬免許の更新も2年ごとにやる必要がある。
 そこで、今回、当院では麻薬をやめることにした。その手続きが大変だった。まず、市保健所に行って麻薬施用者廃止届けを出し、つぎに県庁に行って残った麻薬の廃棄を依頼しなければならない。
 というわけで昨日は残ったモルヒネ17アンプルを持って横浜にある神奈川県庁に行ってきた。 
 久し振りの神奈川県庁だった。昭和3年に作られ、煉瓦と大理石の立派な建造物であり、中央には”横浜3塔”の一つである「キングの塔」がそびえていた。手続きのほうはあっけないくらい簡単に終わった。

 モルヒネは人間の歴史でもっとも古くから使われてきた鎮痛剤・耽溺藥であり、文学にも登場し、阿片戦争をもおこした。モルヒネからはヘロインやフェンタニールなどの化学物質が作られ、副作用の少ないそれらに現役の座を明け渡しているが、ボクはモルヒネも上手に使えばいい薬だと思っている。自衛隊や米海兵隊ではいまでも常備されているらしい。



閲覧数1,335 カテゴリ日記 コメント6 投稿日時2015/02/05 12:14
公開範囲外部公開
コメント(6)
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  • 2015/02/05 21:15
    shinobiさん
    私の父が亡くなる数か月前「モルヒネを打ってくれ」と叫んでいたことがありますが、それほど簡単には使用できないんですね!

    もっとも私の父の場合は「老人性うつ病」だったので大腸がんだと思い込んでいただけでした。
    次項有
  • 2015/02/05 22:05
    鉛筆狂四郎さん
    shinobiさん

    モヒを打てば痛みは感じないで済むと言われてますが、実際にそのようですよ。
    モヒを打てば、痛みがあることは分かっているが、痛くないのだそうです。
    ただ、中毒になりやすいので、その取り扱いは法的にもとてもうるさいのです。

    ただ、モヒより現今の危険ドラッグのほうがよっぽど社会的脅威ですよね。
    モヒは使い方によっては良い薬だと思っています。
    次項有
  • 2015/02/06 04:16
    さん
    お名前:焚火男

    幸いにもまだ使用したことはありません。
    写真でも初めて見ました。
    騒がれている 危険ドラック よりはまだマシですかねぇ。
    もっとも、我らはもっと重大な中毒にはなっていますが。
    次項有
  • 2015/02/06 08:40
    さん
    お名前:藤やん

    20年前に家のオヤジが末期ガンで亡くなりましたが、最後の数日に使ったようです。生前は血気盛んでヤンチャなオヤジでしたが最期はもの静かな顔でした。

    焚火男さんが言われるように、我々は薬よりもっともっと依存度の高い恐ろしいモノに溺れる中毒患者です(笑)
    次項有
  • 2015/02/06 09:00
    鉛筆狂四郎さん
    焚火男さん

    見たことがなかろうと思って、写真に撮ってみました。
    もう手元にはありません。

    はは”釣り中毒”ねえ。
    確かに!
    次項有
  • 2015/02/06 09:02
    鉛筆狂四郎さん
    藤やん

    最後はモヒを使って安らかに昇天!
    それは名医ですゾ!
    次項有
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