今日は日曜で、天気も良く、暖かいという予報だった。もうすぐ解禁なのだが、どうせ解禁当初は釣れないだろうし、今日は魚を釣っておこうと、自宅から20分くらいで行けるフィッシングフィールド中津川に行った。
この日はね、風が強く、釣りづらかった。どうせなら新しい竿を使おうとトムモーガンのグラス、7’3”、#3を使ってみた。振り始めはペナだなあと思ったが、だんだん慣れてくると18ヤードほどの遠投も出来るようになっていった。さすがのデキであった。
さて、釣り場で最初に目についたのは鳥だった。釣り池の近くの小山にはたくさんのアオサギが木の枝にとまっていた(矢印)。数えてみると30羽以上居た。あれ、妙だなあ、繁殖期なのかな、と思っていた。そして5時の終了時刻がきて、釣り人は皆引き上げていった。僕は車の中でパイプを吸いながら水面のライズを見ていた。
釣り場から人が居なくなったそのとき、アオサギが水辺にドッと寄ってきたのだった。そしていつの間にか10羽ほどのカワウが池の上空で旋回していた。
「オオッ、池の魚を食いにきたんだ!」
と思った。それは壮観であり、僕はカメラを取り出して夢中で写真をとった。カワウは水面を飛び回り、ボグッと水に潜って水面に出てきたときには魚をくわえていた。アオサギはと見れば、岸辺にズラッと並んでいた。
そりゃあそうだよね、鳥たちにしてみれば、ご馳走がてんこ盛り(高密度で)で目の前にあるのだから。鱒の大虐殺、血の晩餐会が繰りひろげられていた!
もし、僕が車から出れば、鳥たちは一度は散るだろうが、僕が居なくなればどうせまた池に戻ってくるだろう。そう思って僕は車のエンジンをスタートさせ、釣り場を後にした。釣り場を管理している漁協も困っているんだろうが、打つ手はないんだろう。
これでアオサギが池近くの小山に群れている理由がわかった。池の魚に餌付けされてしまっていたのだ。ここ以外の鱒釣り場でもカワウやアオサギの被害に遭っていることは聞いている。だが、ここほど凄まじいのはあまりないんじゃないだろうか!
野性の生存競争を見せつけられ、僕は圧倒されていた。


