8月3日、この日のフェアの重要なスケジュ-ルはシングルハンドとダブルハンドのCI(キャスティング・インストラクター),MCI(同じく、そのマスター・クラス)の試験が行われた。 また、フェアの期間中、さまざまな場所で、同時進行で、フライタイイング、フライキャスイティング、釣りの実践指導、子供用のプログラムが行われた。多くが有料であり、お金はすべてが寄付としてIFFFの運営資金に回されるという。各プログラムの指導者には1セントも渡されないと聞き、〈ウーム、確かにボランティアの集まりだ〉と感心したものだった。 この日には夕方からバンケット(晩餐会)兼表彰式があり、我々二人は招待されていたし、出席しなければいけない。だが、昼間には一般公開されているプログラム(それは4日から始まる)はないので、釣りに行くことにした。 河合さんが、 「小さな川ですが、魚がたくさん居る所に行きましょうか。魚は大きくはないですが、楽しめると思います」 と言い、イェローストーン公園の近くの小渓流に連れて行ってくれた。 そこでは20~30センチメートルのカットスロートが群れていた。河合さんには塩澤会長に付いてもらい、僕は一人で釣り上がり、10匹を釣った段階で満足してしまった。塩澤さんは大物を掛けて逃げられたそうだが、じゅうぶん楽しまれたようだった。 さて、バンケットだが、釣り人の集まりなので、それほど服装に気を遣う必要はないようだが、いちおうジャケットは着ていった。旧と新の会長はダークスーツ姿だったが。 たくさんの人が集まり、今回表彰を受けるイヴォン・シュイナードさんも来ており、一緒に写真に収まってもらった。教育部門(キャスティング、タイイングなど)、鱒の保全部門、事務部門、地区部門など、さまざまな貢献に対して表彰が行われ、全部で10以上あったんじゃないだろうか。表彰のたびに、表彰理由が述べられ、記念のプレートが贈られ、受賞者は大喜びで満場の拍手を受けていた。 また、グリーンリー前会長のスピーチのあとにクニさんが日本からの参加者を紹介してくれたのはうれしかった。 団体を維持し、盛り上げていくために、表彰制度はとても有効だと思った。同時に、IFFFの長い歴史と会員数の多さがその基盤にあることを僕は感じていた。IFFFの元団体であるFFFの創設は1965年であり、今年で51周年であり、会員数は約12000名。JFFAもいつかはIFFFと同じようなプログラムが実施できるようになりたいものだが、彼我の差はあまりに大きく、僕は衝撃を受けていた。ま、JFFAも、日本の状況の中で、少しずつ、地道に続けていくしかないな、と思った。 |