このところ、静かに時間が過ぎていく。といっても、ヒマを持てあましているかと言えば、そういうわけでもない。 癌と僕の体とはいまや共生関係にあるようで、癌は小さくなったまま、消えもしないで、そこに居るといった感じだ。僕自身は元気であり、仕事も普通にこなしている。食欲も普通にある。ただ、この数年、あれほど好きだった肉類は食べる気にならず、魚をおいしく食べている。これは、抗癌剤の副作用とは考えにくく、歳のせいだろうと思っている。 最近ズボンがずり落ちてしようがないので、小さなサイズのズボンをワークマンに買いに行った。僕は以前からワークマンのズボンが気に入っていてね、サラリとしていて着安く、適度な余裕があり、肌触りが良く、濡れてもすぐに乾く。釣りズボンに最適だし、普段着としても理想的だ。で、今回試着してみておどろいた。これまではウェストは96センチメートルだったのだが、88センチメートルでピッタリなのだった。この1年でやせたのである。どうやら食生活の変化が、体重に変化をもたらしたようだ。ズボンのお値段は1着2500円也であり、2本買った。 最近、本の整理を始めた。読まない本を処分し、釣り関係の本をクリニックから自宅の本棚に移すことにした。始めてみると、これが大変な作業であることが分かってきた。何しろ、釣り関係の蔵書は単行本が600冊以上あって、雑誌もたくさんある。この作業中、同じ本が2冊あるものがいくつかみつかった。どうしようかと考え、余分は次回の田中山の焚き火会で皆さんにプレゼントすることにしよう。英語の本もあるんだが・・・ ある風の強い日の午後、クリニックの庭のテラスに小さな柿の実が落ちていた。直径は3センチメートルくらいで緑色だった。こうやって、柿の実はたくさん成って落ちていき、残った物が熟していくのである。この柿の木はクリニックを建てたときにはせでに生えていて、毎年甘い実を何百個も付ける。秋の楽しみのひとつになっているが、あまりにたくさん成るので、食べきれるもんじゃない。ある時点でまとめて採って職員にあげることにしている。 そうそう、「ブラッカムの爆撃機」を読んだ。ウェストールの描く幽霊は”自然な感じ”で、リアルだった。とてもいい本だった。宮崎駿の漫画もよかったし。 |