最近、あるCDを買った。どういう経緯で買うことになったかというと「ビッグ・コミック」というマンガ誌でほめてあったからだ。その褒め文句は、たしか、”身体が宙に浮くような感覚にしてくれる声の持ち主・・・”だったと思う。これまで、映画にしろ、音楽にしろ、いわゆる「批評」にダマされ続けてきたが、今回もダメモトで買ってみたというわけだ。
歌手はジョルジア・フマンティ、CDのタイトルは「情熱のディーヴァ」。
印象:アタリだった。いい声だ。歌い方もやや素っ気ない感じがいい。解説にもあったが、〈聞いて、聞いて、私こんなにうまいのよ〉という歌手とは対極にある歌い方をする人だと思う。媚びがまったくない。こんな歌を聴くと、癒される感じがするナ。13曲中の2-3曲は特にデキがいい。
フマンティを聞いて、まてよ、似た感じの歌があったなと思い、少し考えて思いだした。それは映画「シュリ」のエンディングに使われているキャロル・キッドの"When I Dream"である。映画を見て、この歌を聞くとグッと来るのだが、この歌だけを聴いても澄んだ声の美しさは十分わかるだろう。
やはり、僕は女性の声がいいな。一時はシャンソンやファドを聞きあさったこともあるが、どうもしっくり来なかった。連中、声が悪い。若いファド歌手でいい声の歌手が居たが、それはあまりに表面的でうすっぺらい歌い方だった。やはり、なんというか、内容を伴っていて、それプラス”美しい”という要素がないと、また聞こうという気にならない。
この二人の歌手、専門家に言わせると、この手の歌手なら他にもたくさんいるし、イマイチ”これぞ”という個性がないなんてケチがつくかもしれないが、そんなことは勝手に言わせておけばよろしい。僕が気に入ればそれでいいのだから。