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2007年11月22日(木) 
 今日は大いに驚いたことがあった。
 お昼前にインフルエンザの予防注射に中学生の男子生徒が来た。15歳だが、体格は良く、1メートル80センチメートルはあり、体重は80キロ近いだろう。母親が付き添いで来ていた。
 で、手続きも終わり、注射をしようとすると、その子はとたんにおびえだした。身体を捻って注射をさせない。大男が注射をいやがるから始末が悪い。
 チョットの辛抱だよなどとなだめたが、立ち上がって診察室の隅に行こうとする。看護師と母親が連れ戻して、椅子に座らせる。
 注射をしようとするとその子の目は注射器に注がれ、恐怖におびえ、身体が逃げる。また、言い含め、注射を使用とすると逃げる。
 ついに母親が
「いいかげんにしなさい、来年受験でしょ。インフルエンザにかかったら受験に失敗するよ」
 やっと納得したようにおとなしくなったが、実はそうじゃなかった。注射をしようとすると身体を捻って注射をさせない。注射を受けなきゃいけないことは分かっているんだが、注射の恐怖に負けてしまうようだ。
「おーい、看護婦さん、ちょっと抑えて」
とナースを二人呼んだがその子は大きくて抑えられるものではなかった。
 このあたりで既に5分はたっていたと思う。
「ウーム、僕はどっちでもいいんだよ。やってもやらなくても。どうする?止める?」
と僕は言って母親をチラリと見た。母親はいい加減うんざりしていた。
「もう、この子は、信じられない!ちゃんとしなさい」
 シーンと、診察室に妙な静けさが訪れた。
 そして、やるんだね、と僕が言うとその子は首を縦に振った。しかし、もう一回暴れたのだった。
 で、母親の一喝が下った。
「いい加減にしなさい!!!」
 ついに注射をする体勢になった。
 おびえきった目が針を見ていたが、僕は構わず注射針を刺した。その瞬間、その子の身体が動いて針が抜けた。針穴からは血がしたたり落ちていた。
 ナース、僕の声、母親の声が混ざって響き渡った。待合室まで聞こえただろう。その後、ふたたび静寂となり、異様な雰囲気がただよった。
ふたたび母親の声。
「ほら、他の患者さんも待っているのよ。信じられないよ、もう」
 で、何とか注射を終えることができたのだった。全体で10分以上はたっていたように思う。

 これだけ注射をいやがった子は見たことがない。15歳というともうけっこう大人の仲間入りの歳だろう。それが、3-4歳のこどもと同じような反応をするのだから。
 しかし、あきれたね、ホント。

閲覧数1,262 カテゴリ日記 コメント5 投稿日時2007/11/22 21:03
公開範囲外部公開
コメント(5)
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  • 2007/11/26 10:03
    さん
    お名前:

    こんにちは
    ご無沙汰してます。

    久しぶりにパソコンを開いて、こちらにも遊びにきました。そしたら、この記事・・・

    ちょっとビックリしました。

    実はうちの息子も、注射をする時にこの男の子と全く同じような動きをします。まだ小学校の低学年なので、もっと時間が(30分くらい)かかるので、息子の事をよく知ってる病院でしか、注射は受ける事ができません。
    なのでこの記事を読んでて、場面がそのまま目に浮かぶようでした。

    もしかしたら、この中学生の子もなにかしらうちの子と同じような問題を持ってる子ではないかと思いました。
    頭では受けなくてはいけない事は解っているのだけれど、いざ針が刺さると思うと体が言う事を聞かない。

    大人の人でうちの子と同じような問題を持ってる人達の話を聞くと、頭で針が刺さると考えただけで、本当に刺さっていなくてもものすごく痛い(本当に痛みを感じる)のだそうです。
    私の知り合いの人はもう50代の男性で、その子よりもかなり大人ですが、注射だけは絶対に受けれないといってました。刺さるところを見るだけで倒れそうになるそうです。

    それを聞いて、これからうちの息子もだんだん体が大きくなるし、押さえつけるのにも限界があるし・・・と悩んでます。注射する側も恐いですよね。

    今年もまたインフルエンザの予防注射の時期なんですよね・・・はぁ・・・頑張ります!




    次項有
  • 2007/11/26 10:05
    さん
    お名前:HANA

    すみません。さっきのコメントはHANAでした。
    名前が抜けてるのに気が付かなくて・・・

    ごめんなさい。
    次項有
  • 2007/11/26 11:10
    鉛筆狂四郎さん
    HANAさん:
     人の心は個人個人によってその幅が違います。
     医学では「社会生活を人並みに営めるかどうか」という規準によって正常か異常かを分けてきました。
     何がほんとうに正常で、どこからが異常なのか、絶対的な線引きは不可能なのです。
     怖いものは怖いわけで、どうしようもありません。
     ただ、怖いという感情を理性や社会的協調性によってコントロール(克服)することができないだけです。そういう意味では「問題を抱えている」と言ってもいいかもしれません。
     すこしずつ、自信を付けさせていくしかないでしょうね。頑張ってください。
    次項有
  • 2007/12/20 23:29
    HANAさん
    こんばんは

    なかなか立ち上げないでいたら、パソコンがとても機嫌悪くなってしまい、仲直りするのに随分時間がかかってしまいました。

    気が付いたら、もうすぐ今年も終わりですね。

    実は1週間前に無事インフルエンザの予防注射を受けてきたんです。

    今回はなんとほんの数秒っていう感じで、ビックリするほどすんなり注射ができて、感動したくらいです。

    2年の間にいろんな面で成長してくれていたのだと実感しました。

    年末にとても嬉しい気持ちにさせてくれました。

    ご報告まで・・・
    次項有
  • 2007/12/21 11:36
    鉛筆狂四郎さん
    HANAさん
    それはそれは。
    驚くべき成長ですよ。
    よかったね。

    僕の方もちょっと体長をくずしましたが、現在回復中です。石垣島の手作り黒糖のおかげで体力を保っています。これには濃密にいろんな栄養が詰まっているような感じです。
    次項有
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