先日はお疲れ様でした。
もう少し沢山釣れると良かったのですが、6匹という
一桁台で終わってしまったのが残念です。
時期的には、今がベストシーズンなので、週末は
釣り人も多いので仕方がない事かもしれません。
またこれに懲りずに御一緒して下さい。
ヤマトイワナと呼ばれるイワナが居る。日本の大島正満博士が1961年に鳥獣集報という学術雑誌に発表した論文で命名したものだ。木曽川や天竜川などのフォッサ・マグナを中心とする地域の河川でよく見られるという。 この”ヤマト”という古語の響きが釣り人の関心を呼び、雑誌にもよく取り上げられ、釣り人は憧憬をもってヤマトイワナに思いをはせるようになっていった。僕も以前から釣りたいと思っていたがまだその夢を果たせないでいた。 だが、今回、遠山川でかなりヤマトイワナに近いイワナを釣ることができた。 ここで、大島博士の論文の要旨を書いておこう。 ヤマトイワナの成魚の特徴 ・体高は高くはない ・胸びれは大きく、尾びれの幅が広い ・褐色調が強い。 ・腹部は白色。 ・白点、雲状紋はともに見られない。 ・パーマークは痕跡的。 ・側線の上と下に鮮やかな橙紅点が散在。 ・尾びれは黒色で外縁は淡紅色。 ことに7番目の橙紅点が側線の上と下に分布することはニッコウイワナとの鑑別として重要だと大島氏は強調している。 いっぽう、ニッコウイワナでは側線の下だけに橙紅点が見られる。 この、ヤマトイワナ、ニッコウイワナという表現は大島氏の命名である。 さて、その目で僕が釣ったイワナを見直してみよう。 天候に恵まれ、水色も良く、ヤマフジが満開で、渓流釣りのベストシーズンを迎えていた。 写真のようにかなりヤマトイワナに近いのだが、白点がわずかに存在し、橙紅点は鮮やかとは言い難い。ただし、橙紅点は側線の上下に分布していて、もっとも重要な診断根拠は満足している。限りなくヤマトイワナに近いと言っていいのではないだろうか。 ヤマトイワナとニッコウイワナのハイブリッド。 魚類学ではヤマトイワナは現在独立種としては認められていない。ニッコウイワナの地域変異型と見なされている。学会では大島博士だけが孤立している状態のようである。 魚類学は僕の専門外であり、シロウトが口を挟んでもしようがない。ただ、釣り人としては、ヤマトイワナはニッコウイワナとは違うんだ、と思いたいのである。釣り人の憧れのイワナだし。 ひとこと。同行のKさんも言っていたが、漁協が手に入れやすいニッコウイワナを放流した結果、ヤマトイワナとニッコウイワナのハイブリッド(合いの子)が増えているらしい。今回の釣行でもそのハイブリッドが何匹か釣れた。これは、困った状況である。極端に言うと自然破壊ということになるだろう。折に触れて釣り人が声を上げ、漁協や内水面事業に反省をうながしていくしかないだろう。 話が大げさになったが、今回の釣りはすばらしい釣りだった。釣り自体も良かったし、ほぼヤマトイワナの写真も撮れたし・・・ ガイドのKさん、ありがとう、ね。 |