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2009年03月23日(月) 
第II章

釣り竿、ライン、および他のタックルについて
OF ROD, LINE, AND OTHER TACKLE


"Omnia quae multo ante memor provisa repones, 
So te digna manet divini gloria ruris."
Virg. Georg. i. 167
(じゅうぶんに前もって蓄積し、備えよ。
 そなたがその地で価値ある者となり、
 天から栄光を受けんと欲するならば)


 まず、すべての道具を完璧に整えよ、
 4月があなたをウォンドル川に呼び寄せる前に。
 川での栄光は汝のものとなるであろう、
 テイパーラインの先に斑点のある獲物を何匹も得て!

 アーチェリーの弓と同じように、釣り人はその人の体格と強さに正しく見合う長さと重さの竿を使わねばなりません。背が高く力が強い人は14か15フィートの竿に挑戦してみるのもいいでしょう。だが、体が小さめで腕力がない人は、12フィートあるいは12フィート半の軽い竿を薦めます。そのほうがコントロールしやすいし、腕の疲れも少ないからです。竿の材質としてバットセクションには樫、ミドルセクションにはランスウッド、そしてトップセクションにはバンブーが最高の素材です。バットセクションにはドリルで穴を開けて四角形のトップを入れられるようにして、バットエンドにはネジでスパイクをねじ込めるようにしておきます。これは竿尻で地面を突き刺し、魚を取り込むときに竿を立て位置に保持しておくのに便利です。ブラスのフェルールはねじ込み式でぴったり合っている必要があります。
 良い竿というのは竿のしなりが手によく感じられるもので、竿を水平にしてバット部分で支えた時、竿自身の重さで横に曲がったりせず、垂れ下がる範囲が1-2フィート以内のものです。
 竿に取り付けてあるガイドリング(訳者注:リング状のラインガイド。当時はスネークガイドは使われておらず、リング・フック・キーパーのようなラインガイドが使われていた)は普通小さすぎます。小さすぎてフライラインが自由に通り抜けるのを妨げています-もっとも、完全に抵抗を除去するのは不可能でしょうが。ガイドリングはバットセクションに取り付けてある大きな物を竿全体に取り付けるべきでしょう。竿の外見は贅沢である必要はありません。竿の使い心地のほうがずっと重要です。(ガイドリングが細いために)ラインがすぐに巻き取れず、魚が疾走して、良い型の魚を失うことがあります。そうなったら釣り人はカーッとなって、竿を折ってしまいかねませんが、そうでなかったとしても、釣り人必携であるところの「いい気分」を失ってしまうことになってしまいます。
 ガイドリングは、通常より大きなもので、あまり重くなく、キーリングのように割れているものがいいのです。これをもともと竿に付いていたガイドリング用の金属の輪に自分で通せばいいし、竿を傷つけるわけでもないので安心です。これぞ賢明なる工夫です。


リール・ライン Reel Line (訳者注:フライライン)

 初心者は細いフライラインを使うべきではありません。むしろ、彼が買えるもっとも強い(太い)フライラインを使うべきです。なぜなら、細いフライラインは切れやすいですし、初心者にとって投げにくいからです。全体がホースヘアでできているテイパーラインがもっとも投げやすいので、お薦めです。


リール Reel

一般に販売されているリールには多くの不満があるのですが、実用のための改良が行われてきたとは思えません。リールに対する主な要望としては、第1にラインの巻き上げスピードがもっと上がってほしいこと。第2にもっと小さいリールであってほしいこと。第3にもっと軽量であるべきこと、第4に故障しないこと、などがあげられるでしょう。
 そのうちの第1の要望は、リールの価格を下げるために犠牲になったと考えられます。また、第2,第3の要望をかなえるために第1の要望が犠牲になった可能性もあるでしょう。スプールのライン巻き取りのための溝は4分の3インチの幅で、スプール軸の直径は2インチで、スプールの直径は2インチ4分の3あれば、20ヤードのトラウト・ラインをちょうど良く巻き取ることができます。全体の直径は3インチ4分の1を超える必要はなく、リールの幅は1インチ4分の1以下で十分なのです。スプールの回転ギア比は1:5であってもいいと思いますし、その場合にはハンドルを1回転するたびに平均して約3フィートのラインを巻けるわけです。一方、一般のリールは1:4のギア比ですから、ほとんどのラインがリールから出ていると仮定すると、ハンドルを1回転すると3インチのラインを巻き取ります。ラインのほとんどを巻き取った段階では1回転で18インチを巻き取るので、平均すると10インチ半ということになるでしょう。私が提案しているリールではこの3倍以上の速さで巻き取ることができます。ラインが全部出ている場合でもすばやく巻き取ることができるのです。また、スプール軸を太くすることによって、トラウト・ラインの長さと太さを考慮し、一般のリールよりも軽く、故障の少ないリールが作れるはずです。
 鱒釣りには、7-8シリングで売っている、良くできた中くらいのサイズのブラスのマルチプライヤー・リールが好ましいのです。リールを竿のバット・エンドに取り付ければ、リールの重さはキャスティングにおいてむしろ有利に働くでしょう。
 近年、スパイラル・スプリングを持つリールが考案され、それを使うと窓のブラインドの巻き取り仕掛けと同じようにリール軸にラインを自動的に巻き取ることができます。(訳者注:オートマチック・リールのこと)
 また最近、部分的にも全体としても、とても巧妙なバットエンドに装着するリールがベテランのフライフィッシャーによって考案されました。もし、そのリールのライン巻き取り速度がもっと速く、故障しにくい構造であれば(それは難しい課題では無さそうですが)、それは貴重で洗練されたものになるでしょう。

---つづく

閲覧数469 カテゴリ日記 コメント0 投稿日時2009/03/23 21:15
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