「つるや」という釣具屋が毎年2月にハンドクラフト展というのをやっていて、ことしも行ってきた。そこには鳥取県でカゲロウロッドという工房でバンブーロッドを作っている石田さんがやってくる。彼とは数年前、いっしょにゴギ釣り行き、彼の竿に惚れ込んで竿を作ってもらって以来、毎年、このイベントで会って夕食を食うようになっている。東京勤めのN井田君のお世話で毎年違ったところで東京名物を食べることになっており、今回は桜鍋だそうだ。 土曜日、午後1時には相模原を出て電車で東京に向かう。相模線で電車を待つ間、駅の周りでは静かに雪が降っていた。番田→橋本→新宿→上野→浅草の会場まで3時間も掛かってしまい(途中で腹が減ったので蕎麦を食べたりした)、会場に着いたのは4時だった。夕食は5時半からであり、大急ぎで展示を見て回った。たくさんの人と会い、おしゃべりもした。びっくりしたのはアメリカ製の本で77万円の本があったこと。それはRare and Unusual Fly Tying Materialsの豪華限定本であり、フライのマテリアルの実物が付いていた。僕は表紙裏のマーブル紙があまりに綺麗なので見とれてしまった。さらにびっくりしたのはもう買い手が付いていたこと、お金持ちがいるんだね。また、最新の素材でできた極めて細くて軽いグラファイトの竿も手にして感じ入ったものだ。石田さんが作った真竹の竿が気に入り、試し振りをしたあと、注文してしまった。いやあ、竿は振るとダメだね、買いたくなってしまうからね。その後あわただしく見て回り、会場風景の写真を撮り忘れてしまった。 三島のN井田・A田君、T家さん、K合君(フライタイヤー)夫妻、石田さん(ロッドビルダー)、そして僕の7名で、吉原にある「中江」という桜鍋屋に行った。店は明治38年創業だという。馬刺し、タルタルステーキ、そしてメインの桜鍋が出た。馬肉は臭みや癖がなく、僕は桜鍋は初めて食べたが、すき焼き風で、とてもおいしかった。また、おつまみに出た「すくい豆腐」が絶品だった。設定してくれたN井田君、どうもありがとう、とってもおいしかったよ。 石田さんはその夜は八王子の娘さんの所に泊まるそうで、僕と二人で中央線に乗って帰った。彼が日本でのバンブーロッドビルディングの歴史を知りたがったので、乗っている間ずーっと日本でのフライフィッシングの歴史を話し続け、気がついたら八王子に着いて、あわてて電車を降りたものだ。 楽しい1日だった。来年はゆっくり見て回りたいから、もうちょっと早めに家を出なきゃいかんなと思っている。 |