3月31日 術後6日 今日で術後6日目、退院が近づいてきている。病院の職員にも顔を覚えられてきていた。3食後には外に煙草を吸いに行くが、玄関のところにいる案内係や履き物あずかり係の人からも声をかけられるようになってきた。今日も朝食後の煙草外出のとき、 「そろそろ退院ですかね?」 と聞かれた。 「はあ、あさってには退院なんですよ」 「そうですか、良かったですね」 と言われた。予定通りに退院できない人もけっこういるらしいので、術後8日で退院するのはめでたいことのようだ。 午前10時にはドクターの回診があり、この日は若い先生だった。診察の後、帰り際に 「実は私は学生の頃にフライフィッシングをやってまして、先生の文を釣り雑誌で読んだことがあるんです」 と言う。 「あらあら、それはそれは」 とボクは答えたが、あとの言葉を飲み込んでしまった。彼の言い方ではその後は釣りをやっていないらしいからだ。また、余裕が出てきたらFFを始めたらどうですか、と言おうとしたが、彼も忙しいらしく、すぐに病室を出て行ってしまった。 この日、本が届いた。ボクが書いた「フライフィッシング用語辞典」の初版であり、お 世話になった院長さんに1冊進呈するためだった。昼過ぎにナースが検温と血圧測定にきたとき、本を見せて、これはボクが書いた本なんだよと言うと、 「エエーッ、ほんとですか。スゴイ本じゃないですか!ちょっと見ていいですか?」 と言いながら、血圧を測るのを途中でやめて、本のページをめくっていた。 肛門様の具合は一進一退の感じで、まだ、排便の時にはかなり痛い。ただ、それ以外の時には肛門はその存在を主張することは少なくなっている。ほんのすこしずつ回復してきている感じだ。 |