ハルフォードの「水に浮くフライとその作成法」のほうは現在印刷の真っ最中であり、6月の半ばにはできあがった本がどっと送られてくるだろう。この本はカワノ・ブックス、フライフィッシング・クラシック・ブック・シリーズ第2弾である。第1弾はもちろんロナルズの「フライフィッシャーの昆虫学」だ。
で、シリーズと銘打った以上は最低3冊は出さねばならないだろう。3冊目は何にするか?これは、当然、ハルフォードの敵であったスキューズの本になるだろう。歴史上有名な論争があって、ドライフライを信奉するハルフォード対ウェットフライ(ニンフフライ)を信奉するスキューズのことだ。両者の本の片方だけ翻訳したのでは片手落ち、不公平になるし、なによりも読者がその歴史的論争が何だったのかを知ることができないからだ。
スキューズも何冊かの本を書いているが、なかでも、名著のほまれが高い「The Way of a Trout with a Fly フライに対する鱒の行動(1921)」を翻訳することにした。
ところが、この本は文章ばかりで図が少ないので翻訳のスピードが遅くなること、おまけに英語が典型的イギリス英語であり、簡潔明快なアメリカの学術英語に親しんだ僕にとっては、とても訳しにくい。なにしろ弁護士が書いた文章だからナア。
今年の2月ごろから始め、毎日、3分の1ページ、あるいは半ページを訳しているが、全274ページなので、まだまだ1年以上はかかりそうな雰囲気だ。気の遠くなりそうな遅さだが、フライフィッシング用語辞典に比べればどうってことはない!また、やっていく内に彼の書き方に慣れてきて、少しはスピードが上がってきている。
また、スキューズはなかなかおもしろいことを書いていることもわかってきたので、僕も最後まで読んでみたいと思うようになってきている。
写真を載せておこう。スキューズの写真では目つきが悪く見えるが、彼は右目が失明しているのでそう見えやすい。本の天の部分のしおりがあるところが現在の位置である38ページだ。まだまだ先が長い・・・。