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2010年06月03日(木) 
 ムジナ窪とは芦ノ湖にある小さな湾の名である。同じ名の湾が中禅寺湖にもある。全国的に見れば同じ名の湾が他にもあるのだろう。ムジナはタヌキやハクビシンを包括するおおざっぱな呼び名であり、昔から伝説や怪奇現象に登場してきた。ムジナが居そうな所だと昔の人が適当に名前を付けたのだろう。
 芦ノ湖のムジナ窪は湖の南西部にあって、車では行けない。白浜まで車で行き、車止めに車を置いて、遊歩道を30分歩かねばならない。白浜には釣り人が多いが、ムジナ窪では釣り人が少なく、これまで知らない釣り人に会ったことは一度だけである。ムジナ窪にはこの20年前からときどき釣りに行ってきたが、何よりも人が居なくて、静かに釣りができるのが気に入っている。30分の歩きはやや辛いが、急な登りもなく、快適な遊歩道なのでありがたい。ただし、ムジナ窪でいい釣りをしたのは数えるほどであり、ことにこの数年はまったく釣れていない。
 そのムジナ窪に行ってきた。芦ノ湖の釣りは、僕はドライフライで釣れる4-5月しか行かないが、6月2日でまだ水温は14-15℃なので可能性はあるかもしれない。魚を釣ることが主目的であれば放流量の多い湖の東側や湖尻の方が確率ははるかに高いのだが、のんびりしたかったのでムジナ窪に行くことにした。靜かな湖の釣りも時にはいいものだし、ま、天気もいいし、散歩がてら行ってみたというわけだ。
 行ってみると芦ノ湖はずいぶんと水位が高かった。白浜には露出した砂浜がまったくなかった。ぴったり30分歩き、ムジナ窪に着いたときには汗びっしょりになっていた。ところで、ムジナ窪の遊歩道脇には慰霊碑が建てられている。1930年の北伊豆地震によっておきた土砂崩れで、ムジナ窪にあった造林作業のための宿泊所が押し流され、8名の死者が出たのだ。
 ムジナ窪には午後3時半に着き、7時まで釣った。はじめ風があったが、夕方にはおさまった。4時半頃から数種類のユスリカ、トビケラ、オドリバエが出て、5-6センチの小魚のライズはあったが、まともな魚のライズは起こらなかった。釣り方も沈めたり、浮かしたりしてみたがアタリなし。時折休んで、ポットに入れて持ってきたコーヒーを飲んだ。
 明るい初夏の陽射しの中、対岸にはホテルの建物が見え、観光船が行き交っていた。僕の居る側は自然に包まれ、ウグイスなどの数種類の鳥の鳴き声がして、カワセミが小魚を捕っていた。カワセミの巣を見つけてやろうと岸の崖に行ってみたが、とても見つけられるものではなかった。
 暗くなる寸前、巨大な魚が水面に躍り上がったのが見えた。60センチ以上あっただろう。黒っぽく、わずかに茶色がかっていたからおそらくブラウントラウトだったのだろう。すぐにフライをラバーレッグのハデハデに変えて投げてみたが、反応はなかった。
 というわけで魚は釣れなかった。だが、暗くなって遊歩道を歩いて戻りながら僕はそれほど落胆はしていなかった。気持ちのいい釣りをした、気分良く自然の中に居た、という満足感のようなものを感じていた。途中、歩いているとき、誰かが僕の背後に居るような感じがして振り返ったが、誰もいるはずがなかった。ハハ、慰霊碑の前で釣りをしたからなあ。僕は幽霊やお化けを信じていないが、信じている人はムジナ窪には行かない方がいいかもネ。

閲覧数668 カテゴリ日記 コメント0 投稿日時2010/06/03 15:46
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