30日、ヤドリキ・フライフィッシング・エリアにFF納竿にいった。この釣り場もいまや年に1回くらいしか行かない。 行くと、いつものリバーキーパー(女性)が居て、元気そうに働いていた。また、ここに行くと誰か知り合いに会う。今回もストリームサイドでお世話になったI田さんと会った。同行はいつもの中年組で、K木さんは脳梗塞の退院祝いを兼ねて参加だった。 天気は良く、ユスリカがたくさん飛び、ライズも多かったが、例によってユスリカは小さいので、なかなかにシブイ。ま、1日釣って何とか二桁は釣ったが。 若者がライズを狙っていたが、なかなか釣れないようだ。気さくな男のようなので、声を掛け、28番のフライ(ウラタンスペシャル)を渡すと、大喜びで、その後何匹か釣ったようで、しばらくしてやって来た。「よく釣れるフライですね。ありがとうございました。お借りしていたフライを返します」と言う。「いや、それはあげたんだよ」と言うと、とてもうれしそうだった。一日一善という言葉を思い出したものだ。 釣りの後は「三味」というレストランで打ち上げ。ここはビーフシチューが旨いが、それほど腹も減っておらず、ボクはオニオングラタンスープと一口カツを食べた。 食後、S木さんが「ネットができたので持ってきました」と言って2本のランディングネットを見せてくれた。1個はボクが注文していた分で、もう1本はミック・ホールへのプレゼント用だ。銘木を多用し、ネットは手編みで、どこにも継ぎ目がなく、すばらしいネットだった。彼が材料の説明を書いてくれていた。グリップ・フレーム:黒柿、トチ ウェンジ、リードメイプルエンド金具:ニッケルシルバー塗料:荏油網:クレモナ3号 黒柿というのは特殊の柿の木で、貴重で、硬く、曲げるのに大変な手間がかかるらしい。S木さんいわく、この材料でランディングネットを作れる人は居ないでしょうね、おまけに先生用のものには孔雀杢(くじゃくもく)が入っているんですよとのこと。 たいへんなネットが出来てきたようだった。釣りに使うのはいいが、なくさないようにしなければ・・・。 翌日、太陽光の下でネットのグリップを見ると、黒柿の縞は角度によって緑色がかった虹色に光って見えた!ああ、これが孔雀杢なのか、と思った。 S木さん、ありがとう! 宝物がひとつ増えたよ。