8日前に狩野川でボクは大物を掛けて逃げられ、くやしい思いをしていた。あまりに悔しいので、その翌日にも行き、その大物はフライに出たが、すっぽ抜けだった。その3日後にも行ったが、少数のライズはあったがフライには出なかった。もうダメかもしれないとボクはややあきらめの気分になってきていた。
そして昨日雨が降り、今日は狩野川はかなりの増水になった。天気もやや不安定な予報だった。行こうかどうしようか迷ったが、行くしかない、ダメモトでも行ってみようと朝9時には狩野川に向かい、11時前には川辺に立った。
けっこうな増水だった。虫の飛び方も少なく、ライズは無く、待つしかなかった。時間をもてあましたボクは狙ったポイントの上流側や下流側を見に行ったりした。 午後3時頃だったろうか、急に風が出て寒くなり、雨が降り始めた。さらには雷が鳴った。こりゃあ、今日はこれまでだなと思い、車に向かった。そして、車に付く直前、パラパラと降ってきたのは雹(ひょう)であった。かなりのふりかたでね。ボクは雹に打たれながらウェーダーを脱いで車の中に逃げ込んだ。
そして雹は5~10分でやみ、雨も上がり、たちまち青空となって、風もやみ、暖かくなった。驚いたなあ。嵐雲が通り過ぎたようだった。こんな嵐雲はボクはアメリカでは何度か経験したが、日本では初めてのような気がする。
川を見ると、虫がたくさん飛んでいた!チャンスだと思った。急いでウェーダーに着替え、竿を継いでリールを付け、ポイントに向かった。だが、ライズは起きていなかった。ふたたび忍耐心をかき集めてライズを待つ。今年初めてのツバメを見た。
6時まで頑張ったがライズは起きなかった。ダメモトですこし上流部に行ってみると、なんとライズしているではないか!すぐに26センチメートル、そしてその3メートルほど下流側で28センチメートルが釣れた!鱗がはがれやすい銀ピカのツマグロアマゴだった。使ったフライはCDCカディス17番。
ヤッタァ、ボクの狩野川でのレコードとなる28センチメートル!
森村さん、ありがとうね、この場所を教えてくれて!
4度目にして、粘り強い釣り人に凱歌があがったのである!
それにしても、変化に富んだ、変わった一日だったな。