この土日(14,15)、ふたたび狩野川に行った。天気は晴れ。 14日はまた同じ場所(去年28センチメートルが釣れた場所)に行き、12時から3時ごろまで川辺の石に座ってライズを待った。12時過ぎから数種のカゲロウが流れ始め、トビケラも出た。そして、小さなライズが2回あって、しばらくしてガボッと音がしたのでそちらを見ると淵尻で大きなライズリングが広がっていた。それはいい型の魚であり、27センチメートルより大きいと思った。釣ろうかと思ったが、待て待て、あの場所は浅く、魚から気取られやすいから、もう少し待って安心してライズを続けだしてから釣った方がいい。ところが、2度目にライズしたのは10分もたったころだった。どうしようかなと思った頃、下流側から釣り人が上がってきた。見ると、森村さんだった。彼とおしゃべりしているとまたライズがあった。彼は「あれはいい魚ですねえ、尺近いですよ」と言う。「うん、そうなんだけど、ライズの間隔がねえ、これだけカゲロウが流れているのに5分か10分に1回しかライズしないからね。本格的な就餌体勢に入っているわけじゃなさそうなんだよ」「なるほど。おまけにあそこはフライを流しにくい場所ですしね。頑張ってください。僕は下で釣りますから」と言って下っていった。 ライズしている場所は淵尻の浅場なので、アップストリームには釣ることは出来ない。横から釣るか、ダウンクロスに釣るしかない。横から釣るとライズにかなり近ずかねばならないし、ナチュラル・ドリフトは難しい。上流側から釣るとフライはナチュラルに流せるが、魚から見られてしまう可能性が高い。水面は波が無く、フラットで、底石がよく見えている所であり、難しい釣り場だった。 で、意を決して上流側から釣ってみたらフライは自然に流れるのだが、釣れなかった。(後で考えると、上流側に立った時点で魚は逃げてしまっていたんじゃないだろうか) この日は早上がりすることにして、「百笑いの湯」に行った。売店で「大泥棒」という名の黒糖カリントウが売っていた。僕の好物であり、さっそく買い求めた。 夜は三島のホテルに泊まり、1階にある「北海」という居酒屋で三島のY田さんと田中山のK木さんと一緒に飲んだ。 そして翌日、ふたたび同じ場所に行った。4回目である。この日も水生昆虫はたくさん流れ、オオクマがたくさん流れ、エルモンも見た。ところが、まったくライズは起きなかった。何が悪かったのか、考えてみた。この日はいつでもダウンストリームに投げられるように、ライズの起こる場所の上流側でライズ待ちをしたんだが、これが悪かったような気がする。魚はライズ場所である淵尻に向かって移動するときに僕の姿を見て、ライズ場所に行くのをやめたんじゃないだろうか、と。 というわけで、1カ所の釣り場に僕はすでに4回通い、まだ釣れていない。もっと釣りやすい波立った流れが他にいくらでもあるのに、去年のすばらしい釣りが忘れられなくて、そこに通っているわけだ。もう、今年はそこだけでもいいや。たとえ釣れなくてもそこに通い詰めてみようと思っている。 絶対に1匹釣ってやるゾ! なめちゃあいけない、こっちも歴戦の勇士なんだから!