今回、カゲロウの確認とエラブタ/アカマダラの釣りについて、三島の森村義博さんと掛川の小川博彦さんにお世話になった。この二人にストマックの画像を送り、カゲロウを確認してもらい、電話でとてもいい話を聞けたので、紹介したい。
森村さんの話
「アカマダラで間違いありません。写真のいちばん下のすこし大きくてボディが緑っぽいのはエラブタのように思います」
「数匹のダンを水面で見たら、その数倍の、羽化に失敗したカゲロウが流れていると思ってください」
小川さんの話
「アカマダラですねえ、久し振りに見ます。アカマダラは条件がととのえばまとまってハッチすることが多いんですよ。エラブタは散発的な羽化が多いようですね」
「小型の虫がたくさんの卵を産むのは、ちゃんと成虫になれるのは全体の一部であることを知っているからじゃないですかね。大型のカゲロウと違って、小型のカゲロウが水面膜を破るのは大きな作業のようなんですよ。だから大量の落ちこぼれが発生して、それが魚に食われるわけです」
結局お二人とも同じ事を言っているようだ。
フライフィッシングの歴史をたどると、ダンやスピナーがまず模倣され、スティルボーン/イマージャーが模倣され、フローティング・ニンフが使われ、クリップルがはやり、そして羽化に失敗した落ちこぼれ(ドラウンド・ダンdrowned dun, DD)に注目されるようになってきた。DDはスウィッシャー/リチャーズが1991年に書いたトラップト・ダンtrapped dun(水に捕まったダン)と同じものだ。
と、ここまで考えて、スキューズが「フライに対する鱒の行動」のさまざまなライズの項でドラウンド・ダンという表現を使ってライズパターンを説明していたことを思い出した(85ページ)。
スキューズ恐るべし-なのである!