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5月9日(水)、連休明けの空いた釣り場を狙って山梨県、N川に行った。 天気は良く、渋滞もなく、スイスイと高速道路を走った。釣り場は標高が高く、1100メートルほどあり、まだ桜が咲いていた。 釣り始めてすぐにアマゴが釣れ、そしてイワナが釣れた。200メートルほど行くと、上流側の川岸に誰かが一人で座っていた。よく見るとフライロッドを持っている。〈何しているのかなあ、僕の前に割り込むつもりなのかなあ〉と思いながら彼のそばまで釣り上がっていった。声をかけて彼がこっちを見てわかったが、彼は外人だった。 彼はパトリックというアメリカ人で、東京に6年ほど住んでいて、今日は東京から電車で来て、バスでT温泉まできて、そこから歩いてきたのだという。日本語をかなりつかう。夕方まで間があるので待っているところだそうだ。感じのいい青年だった。 僕は彼に下流部のポイントを教えて、その後、僕に追いついてらっしゃい。その後は一緒に釣ろうよ。帰りは電車の駅まで送ってあげるから、バスの時間を気にしないで釣りなさい、と言ってあげた。彼はとても喜んでいた。 彼は7年ほどの釣りの経験があるそうで、なかなかのウデだった。追いついてきたときには 「教えてもらったところに行ったらすぐにイワナが釣れたんだ、どうもありがとう」 と言う。 二人で堰堤まで行ったときには薄暗くなってきていた。ガガンボがたくさん飛んだ。堰堤下ではチビヤマメがライズしていて、二人して交代で狙ったが結局釣れなかった。 釣りをやめ、駐車場まで戻ると釣り券を買っただけの民宿のオバさん(女将)が 「お茶でも飲んでいってください」 と言う。 パトリックと二人でお茶に呼ばれ、手作りのケーキまで出た。このオバさんの話が面白かったなあ。話が上手で、何でも遠慮なく話すのだから。目の前にご主人が居るのに家族の内情を話す。 「息子がねえ、いや主人の先妻の子なんですがねえ、39歳にもなるのに独り身でねえ。あまりそのままだと”親子どんぶり”なんて言われても嫌ですからねえ。そんなことを言う人が居るんですよ、田舎だからねえ。その息子にやっといい人が見つかって結婚してくれてねえ、ほっとしましたよ」 聞いている方は 「ほほう」 とか 「うんうん」 とか相づちを打ってはいたが、内心はちょっとびっくりしていた。またずいぶんとアケスケな・・・と。 山を降りる車の中、パトリックが 「あのオバさんは普通の日本の女性とだいぶ違いますねえ。ご主人よりだいぶ若いし」 「うん、そのとおり。僕の察するところ、ややプロの雰囲気があるね」 というわけで、思いもかけないことがいくつか起こってしまった釣行となった。N川は新緑が美しく、白樺が標高の高さを物語っていた。この渓も来月頃がベストの状態になるだろう。今度来るときはその民宿に泊まってみようか、と思っている。あの粋筋を思わせる女将の話も面白いし・・・ |