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2012年10月18日(木) 
さっき、20歳の若い女性が診察室に入ってきた。製菓衛生士つまりパティシエになるという。
「そうかい、パティシエねえ。お菓子を作るんだね」
「そうなんです。もう試験を通ったので、申請するための書類がいるんです」
見ると、可愛い、まじめそうな子だった。母親といっしょだった。
「それで、どんな診断書が要るのかな」
「麻薬とか大麻中毒とかではないという診断書です」
「あのねえ、どんな項目が必要なのか、紙に書いてあるものがあるでしょ」
すると親子で顔を見合わせて、覚えがないようだった。
「じゃあ、さっき言った項目で書けばいいんだね」
「お願いします」
「大丈夫だね?この手の診断書は僕に責任がかかるんだからね」
「はい、ぜったいやっていません」
と言う。では、書きましょうと言って、僕は診断書を発行した。
そして、その二人は一度帰宅して、10分後くらいにまたやってきた。
「あのう、すみません。帰ってよく探したら書いてある書類がありました」
と言って紙を差し出した。見ると、必要な項目が書いてあり、先ほど僕が書いた診断書では役にたたず、書き直さなければいけなかった。僕はややムッとしながら、あらたに診断書を書いた。
 部屋にもどり、考えた。このまま黙っていると受付事務は2通分の診断書料をとるかもしれないと。感じのいい母娘だったし・・・ 僕はすぐに内線電話をとった。
「あのねえ、さっきの若いお嬢さんだけど、ケーキができたら持ってきなさいと言ってくれ。診断書料は1通分でいいから」
と言うと、受付のモリコさんは大笑いしていた。僕の計らいは受付にもウケたようだった。

閲覧数733 カテゴリ日記 コメント2 投稿日時2012/10/18 18:31
公開範囲外部公開
コメント(2)
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  • 2012/10/18 23:57
    さん
    お名前:焚火

    医は仁術。
    情けはひとのためならず。
    彼女の作ったケーキで幸せになるひとも居るはず。
    次項有
  • 2012/10/19 09:41
    鉛筆狂四郎さん
    焚火男どの

    どうも若い女性に弱くてねえ。
    甘い物が好きそうな女の子だったし、パティシエは向いているかもしれない。
    ただ、書類を忘れるほどののんびり屋さんなので、ちゃんとお仕事ができるかどうか。
    ケーキを持ってきてくれる時を待ってみたいな。
    次項有
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