昨日、うらたんざわ渓流釣り場へ行った。目的はカゲロウの採取とちょっと釣りをすることだった。 着いたのは3時頃だった。晴れて、暑かった。虫の飛び方は少なく、カゲロウはエルモンヒラタらしいのを時々見かけるくらいだった。ライズも少なく、虫も捕れないし、しかたなく釣りをして数匹を釣った。 6時までネバッたが、カゲロウは出ず、今日はダメな日か、とあきらめて川を下り始めた。川を渡る所があり、真ん中当たりに来たとき、眼前を大きなカゲロウが横切った。 「おう、やっと出たか」と岸の方をみると、カゲロウの集団が見えた!そして、空を見ると、ビックリするくらいたくさんのカゲロウが飛んでいた。急いで岸にもどり、観察と捕虫を開始した。カゲロウは全体として4センチメートルくらいもあり、フワフワと上昇しては両翅を広げてスーッ落下する運動を繰り返していた。メイティング・スワームだった(交尾群舞)。合体して飛んでいるペアも居た。僕は捕虫ネットで夢中になってカゲロウを捕まえた。捕まえたカゲロウを見ると、テイルは3本で、前翅に特有の模様があり、モンカゲロウだった。加えて、やや小型のカゲロウも飛んでいて、ユスリカ、カディスもたくさん飛んでいた。暗くなる直前の30~40分くらいの間に一気に数種類の水生昆虫が群れ飛んだのだった。僕は幸せだった。僕の周りには川の精が群れ飛んでいたのだから・・・。 川には無数のライズが起きていて、流れてくるごちそうを鱒は腹に詰め込んでいた。 釣り場の帰りに、お決まりの、「癒しの湯」という市営の温泉に行く。7時半頃で、もうあたりは真っ暗だった。温泉の入り口のガラスにもたくさんのカゲロウ、トビケラ、カワゲラ、ユスリカが止まっていて、かなりの数の虫が室内にも入り込んでいた。そして、バイトだろうか、高校生くらいの女の子が蝿たたきで、虫を叩いていた。僕は、 「この虫は刺さないよ」 と言った。すると、その女の子は 「だって、気持ち悪いですよ。虫が入ってきて」 と言う。さらに言おうとして僕はやめた。言っても分かってもらえないし、説明すると話は長くなる。一般人にとって、種類は何であろうが、虫は虫、害虫なのである。その反対に、フライフィッシャーマンはどちらかというと虫を愛しているのだから。 |