釣り、最後の二日間。
いよいよ、最後の二日間となった。最終日には天候は回復して晴れとなった。
今回、デイビッドは「ユニフォーム」を作って持ってきてくれていた。オービスに頼んで特別誂えで作ってもらったそうで、TSURIBAKAのロゴとスティールヘッドが縫い取りしてある。コットン製なのでこれまで涼しく着られなかったが、最終日に晴れたのでそのシャツをみんなで着た。
釣りの方では、サカイサーモン、ピンクサーモン、コーホーサーモンは釣れ続け、僕には2匹目のスティールヘッドが釣れ、S君も2匹目のスティールヘッドを釣った。これは大きな魚で、全長1メートル、体重21ポンドであり、今回の釣りでは最大サイズのスティールとなった。また、結局デイビッドは驚いたことには合計5匹のスティールヘッドを釣ってしまった。
スティールヘッドはキャッチ・アンド・リリースだが、サカイサーモンは一人あたり4匹までキープできるので、みんなでキープし、それをアンドリューが缶詰にするという。
この間、日本から二人、新しい釣り人がロッジに来て、我々と同行の釣りをするようになった。また、イヌイットのナイジャという若い女性(小学校の先生で、シングル・マザー)も釣りに参加したりした。そう言えば、アンドリューもシングル・ファーザーなのだった。
また、最後の二日にはトニーというガイドが加わった。彼はとてもおもしろい経歴で、K-1のチャンピオンであり、またカナダのテレビの釣り番組のホストをしていたそうだ。ひょうきんなところもあって、愉快な男だった。
六日間の釣りが終わった。ロッジともお別れだ。ロッジは丘の上にあり、遠くには雪をいただいた山々が見え、ロッジの裏庭は綺麗な芝生になっている。釣りから帰ってきたら、2階のテラスに座ってビールを飲みながらのんびりと山を眺めたものだ。ロッジには黒いラブラドールのガブーがいて、とてもおとなしく、放し飼いなので、一日中歩き回っていた。幸せな犬である。
ふと空を見上げると、真っ青な空に秋の雲がかかっていた。
いい釣りだったなあ、忘れられない釣りになった、と思った。