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2009年01月06日(火) 
 やっと「アメリカン・バンブーロッドのいままで」(徒渉舎、2008)という本を読み終わった。ジョージ・ブラックというアメリカ人がユースティス・エドワーズを中心にハイラムレナードとその後継者のロッド作りの歴史をくわしく書いたもの。翻訳は緑川 淳。原題は「Casting a Spell」で、訳すと「呪いにかけられて」となろうか。
 翻訳本のタイトルはややオーバーで、内容はレナード一門に限られていると言っていいだろう。だが、力作である。バンブーロッド・ビルディングという繊細な手仕事に魅入られて、快適な生活や贅沢を捨て去った職人たちのことを事実を調査して書き綴っている。そのような技術の粋に魅入られて、呪いを掛けられたようにのめり込んだ人たち。少数の人からは賞賛されるが、収入は低く、完璧をめざして毎日たゆまぬ作業を続ける誇り高き人たち。これは職業ではない。芸術の領域に属する、と感じたものだ。
 このような職人気質や仕事至上主義は日本人の特質だろうと自惚れていたのだが、いやいやそんなことはない、アメリカ人にもあったのだ、ということがこの本でよく分かる。これは「国は違っても人そのものは世界中、同じようなものだ」という僕のこれまでの考えと同一線上にあると言っていいだろう。
 こんな本が出ると困った現象が起きることがある。アンティーク・ロッドをほしがる日本人が増え、値段が吊り上がってしまうのだ。やれやれだが、景気も悪いことだし、それほど心配することもないかもしれない。

閲覧数920 カテゴリ日記 コメント2 投稿日時2009/01/06 16:51
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コメント(2)
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  • 2009/01/06 21:48
    オガ爺さん
    いやあ~、先生も読みましたか・・。
    なかなかいい内容でした。
    クラフトマンシップ・・これは世界共通ですね。
    僕自身もそうありたいと思っています。
    まだまだ・・ですけど・・(^^;)
    で、グラファイトの世界にも、すぐれたエンジニアがいるんだろうな、と信じているんですよ。
    道具作り・・素材は違えど、いいものを作ろうと真摯に取り組む人は必ずいます。
    趣味の世界・・いいものに囲まれて楽しみたいですよね。

    しかしなにより、「渡渉社」、「フライの雑誌社」、は釣り人の心情をくすぐる術をよく知っていますよねぇ。
    この先も注目していきたいと思っています。
    うん。
    次項有
  • 2009/01/06 22:47
    鉛筆狂四郎さん
    オガ爺どの
    いやあ、いちいちごもっとも。
    職人気質・職人魂はもちろんバンブーロッドに限ったことではないでしょう。
    今回はたまたまバンブーロッドの話だっただけで。
    オタクの度合いが進むと危険な領域に踏み込んでくるもんだねえ。
    次項有
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