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2009年08月23日(日) 

 8月13日(木)。チェコでの釣りの1日目。曇りときどき雨。気温13-24℃。
 朝から曇っていて肌寒く、念のために持ってきた暖かい上下下着とウール混紡のシャツを着る。ホテルでボリュームたっぷりの朝食をとった。ヤンが聞く。
「歩くのは大丈夫か?1キロ弱なんだけど」
「うん、歩くのは苦手だけど、そのくらいなら平気だよ」
と答えておいた。

 ガイド:ヤン・シマン。57歳の大男。彼は手広くフライフィッシングのタックルを製作・ネット販売しているビジネスマンでもある。(http://shop.siman.cz/ )また、世界フライフィッシング大会にチェコ代表選手として3回出場したこともある実力者だ。

 ヤルダ。ホテルのマネージャー、良く気がつく若者、28歳。

 朝食の後、ドブラの村に行って車を停め、そこからは歩いて川まで行くという。遙かかなたの森の縁に川があり、確かに1キロくらいだが道があるわけではない。半分は牧草地だから歩きやすかったが、あとの半分は湿地帯で、歩くたびに足を高く上げねばならず、ホトホト疲れた。僕は休み休みだったが、ヤンはずんずん歩く。途中でトリカブトを見つけた!ヤンにこれは毒草なんだよ、知ってる?と聞いたら、彼は知らないと言う。アウトドアに出る者なら猛毒の草くらいは知っておくのが当たり前ではなかろうか、と僕は唖然としてしまった。




モルダウ川源流の水はピート色だ。ピートとは泥炭のことで、その地質を流れる川の水色は透明感のある褐色調となる。水質自体に問題はなく、むしろ栄養度は高い。スコットランドのスペイ川、ニューヨークのオーセイブル川も同じ水色である。川にはバイカモが多い。

 さて、川に着いた。足をモルダウの流れに浸して、川岸の草に腰を下ろして大休止。ペットボトルの水を飲み、タバコを一服し、周りを見回す。なるほど、ここなら釣り人はなかなか来れないから魚は残っているだろうと思っていたら、突然カヌーが現れた。
「アホーイ(コンチワーという感じ)」
と声をかけていく。そうだ、ここにはカヌーが多いのだ。ブラウン・トラウトは神経質だからカヌーが通るとしばらくは釣れないだろうが、グレーリングではそんなことはない。グレーリングは人がかなり近寄っても逃げないものだ。ただし、ティペットはよく見るし、大きなフライはくわえないし、フライにドラッグがかかると見向きもしない。そこが厄介なところだが面白い部分でもある。
 ここモルダウ川源流にはグレーリングが多く、ブラウンも少しは居る。レインボウはほぼゼロとのこと。ヤンが東の方を指さして
「あそこの丘の向こう側はもうドイツなんだよ」
と言う。そうか、ここは国境近くなのだった。
 釣りが始まった。いつものように僕は彼にカメラをあずけて、ときどき僕の釣り姿を取ってくれるように頼んだ。雑誌の原稿用に写真が必要なのだ。僕はドライフライ、彼はチェコニンフで釣った。グレーリングはティペットを見るので、僕は7Xのフロロカーボンを1メートルほどつけた。フライはCDCイマージャーの18番を使用。川は深いところでも腰くらいで、川底は適度に砂地があって歩きやすい。川岸に大物が付いているから、川岸スレスレに投げた方がいいとヤンが教えてくれる。数投目にバシャと出て、寄せてみるとデイス(コイ科の雑魚)だった。
 モルダウ川源流は惚れ惚れするように綺麗な川だった。まったくの自然の流れであり、魚影も濃い。釣り下っていくうちにヤンが先にグレーリングを釣った。あまり大きくはない。彼の話によるとグレーリングの大物が釣れるのは秋がいいという。夏だと大きくても30センチメートルくらいだそうだ。やはり釣果からみればチェコニンフにはかなわない。
「綺麗だねえ、グレーリングは、やっぱり。写真を撮ろう」
と僕が言うと、彼は
「いや、小さいからいいよ」
と言うが、
「いや、いや、グレーリングはグレーリングなんだから」
と僕は言い、ラインを受け取って写真を撮った。数年ぶりに見るグレーリングだった。グレーリングのヒレは大きく、ことに背びれは大きく、カラフルで、細身の身体に小さな口と、「川の淑女」と呼ばれるにふさわしい。また、グレーリングは水温が低く、水質のいい川にしか生息しない。グレーリングが居るかどうかが水質汚染の指標に使われることがあるくらいだ。
 



 そして、僕にグレーリングが釣れた!嬉しかった!大きくはないが、まずまずのカタで、コンディションはパーフェクトだった。写真をたくさん撮った。これでもかというくらい撮った。




 その後もぽつぽつと釣れ、やっとブラウントラウトが釣れた。小さいが、とても綺麗な鱒だった。実は翌日にもう少し大きいブラウンが釣れ、写真を撮ったので、近接写真は次回を乞うご期待。



8月13日分 つづく。


閲覧数565 カテゴリ日記 コメント0 投稿日時2009/08/23 23:17
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