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2009年08月24日(月) 
 8月14日(金)。チェコの釣り2日目ならびに釣りの最終日。曇りときどき雨。気温15-25℃。
 昨日はまずまずいい釣りで、写真も撮れたので、この日はすこし観光めいたことをしようということになった。小さなスーパーに買い物に行き、近くのレノラという町に古くからのガラス工房があるというので寄ってみた。



 釣りは同じモルダウ川源流で、ソウモルスキー橋の上流に行った。この日、ヤンからチェコ・ニンフィングを習った。チェコ・ニンフについて拙著「フライフィッシング用語辞典」から引用すると。
 ”チェコ・ニンフィング。意味は、チェコのニンフ・フィッシング法。単にチェコ・ニンフあるいはロールド・ニンフrolled nymphとも呼ばれる。
 この呼び方は、ヨーロッパで広まり、現在では世界的にも広く知られている釣り方。この釣り方が知られるようになったのは、1984年、ポーランドのドゥナジェック川Dunajec Riverでの釣り大会でのことらしい。その後、チェコの釣り人がさまざまにテクニックとフライを改良してヨーロッパの釣り大会でめざましい成績を収めたのでチェコの・・・と呼ばれてイギリスの雑誌で取り上げられ、世界的に広まったようだ。
 釣り方は、長めの竿を使い、竿先からはフライラインを1メートルだけ出して、竿先直下を釣る。テイパーリーダーは使わず、6X程度のモノフィラメント・ラインを使う。その先にティペットが付き、2~3個のニンフが付く。ニンフはウェイティッドで、スカッド・パターンがよく使われる。アタリは水面上のラインやフライライン先端で取る。
 きわめて効率のよい釣り方であり、流れのすべてのポイントを探るのに良く、競技会向きの釣り方と言えよう。"美しい釣り方"ではないが、"実質的な釣り方"である。”
 とまあ、こんな事になるが、競技会ではインジケーターが禁止されているが、実際の釣りではインジケーターがあったほうがずっと釣りやすい。そのインジケーターも蛍光色のスパイラル・ラインが近年使われるようになってきているという。さらに、近年ではヤーヌス・リーダーという6~8メーターの薄いブルーのモノフィラメント・ラインが使われている。このリーダーにはテイパーは付いていないが号数で言えば7号ほどの太さがあるので、リーダーだけでじゅうぶんにキャストができる。初めは僕もとまどったが、ゆっくりキャストすればきれいにターンオーバーしてくれる。このヤーヌス・リーダーにライン・インジケーターをつけておけば、インジケーターの先にティペットをつければドライフライ・フィッシングができるし、チェコニンフ・システムをつければチェコニンフとなる。これは強力な武器になるシステムだ。イワイのロング・リーダー以上の長物が中級者でも使えることになるからだ。



 ニンフシステムはヤンは50センチ間隔で3個のニンフをつけ、枝ハリスは15センチほど。

 上流側に振り込み、ニンフが川底を転がるように自然に流す。

 インジケーター(矢印)。インジケーターがゆっくり止まったら底で、スピーディーに止まったら魚。

 インジケーターは容易に沈むので、ニンフを異なった深さの川底を流すことが可能となる。

 下流側に来たら、2-3度チョンチョンと誘って、軽く合わせる。

 魚が掛かった!

 この時使った竿は2番、10フィート。このくらい長い方がナチュラルドリフトの距離がかせげる。
 印象:ニンフは3個も付いているし、竿は長いし、釣りの効率がいいことは間違いない。競技会向きの釣り方である。それほど難しい釣り方ではないと思う。ただし、川底をきれいになぞるようにニンフを流すには練習が必要だろう。





 午後はキャンプ場下に入った。この日は雨模様であり、魚の活性はとても高かった。良く釣れ、ブラウントラウトもよく釣れたが、小型が多く、それでもやっと写真が撮れるサイズのブラウントラウトが釣れた。

 この場所は秋には紅葉が綺麗でね。グレーリングも秋には良く釣れるし、大型も出るんだよ。あるイギリス人はここだけで22匹のグレーリングを釣ったんだよ、とヤンが言う。

 ブラウントラウト。うす青い縁取りのある朱点の綺麗なこと!これがシューベルトの「鱒」の鱒ですゾ。

 川沿いにあった掩蔽壕(バンカー)。第二次世界大戦の名残り。チェコの悲惨な歴史が頭をよぎる。

 モルダウを釣り終わって、川下側を見たときの風景。いい川だったなあ、さようならと言いたくない。またナ!

 釣りが終わると釣り人は無言で車まで歩く。なにも考えていないわけじゃない。目はあちこちを見ているが脳は見ていない。歩きながら、いろんなシーンや思いが波のように押し寄せてきて圧倒され、処理不可能におちいって、言葉少なになるのだ。

 夕食にはヤンとヴォラリーのレストランに行った。いろいろ話した。彼は僕の「フライフィッシング用語辞典」をとても気に入ってくれていて、英語版出版の手伝いを申し出てくれた。英語の校正もアメリカのダレル・マーチンに頼んでみようと言ってくれた。ありがたかった。
 ヤン・シマンよ、ありがとう!今回のチェコの釣りはすべて君がアレンジしてくれたものだ。たくさんいい写真も撮ってくれた。チェコ・ニンフも教えてくれた。ガイド料以上の働きをしてくれたことはよく分かっているよ。心からの感謝と握手を送ろう。

 これで今回の旅行での釣りは終わりだ。明日からは観光客となってプラハを見に行く。

 富治は一人前の採掘夫になったのにマタギが忘れられず、ふたたびクマ猟をはじめ、二人目の運命の女イクに出会う。面白くなってきたが、今読み終えるわけにはいかない。 

閲覧数1,648 カテゴリ日記 コメント0 投稿日時2009/08/24 19:52
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