丹沢山塊には自然渓流を利用した管理釣り場がいくつかあるが、東名高速の大井松田インターからほど近い丹沢ヤドリキ(寄)スポーツフィッシングエリア(YGL)、通称ヤドリキ釣り場、は老舗のほうであり、出来てから30~40年はたつんじゃなかろうか。オーナーの齋藤さんとは顔なじみだし、釣り場の管理は、これもかなり前から小瀬さんという女性が熱心に取り組んでいる。
川の水にはかなりの伏流水が入っているおかげで水温も安定し、水質もいい。その結果水生昆虫も多く、マッチ・ザ・ハッチの釣りも楽しめる。
この釣り場も過去に何度も出水で破壊され、そのたびによみがえってきた。僕が感心しているのは釣り料金が安く抑えられていることで、今年からは高齢者割引もできたそうだ。
1月の27日、この日は天気も良く、風もなく、僕は定休日でもあり、それっとばかりにヤドリキに行ってみた。ところが川に着いてみると濁りが入っていた。小瀬さんが
「あらー、お久しぶりですね。HPはご覧になっていませんか。今週は河川工事で濁りが入るので、釣れないと思いますよ」
「ありゃあ、そうだったのか。HPは時々見ているんだが、今朝は見なかったなあ」
とそんなことがあって、ダメモトで少し釣りをやってみることにした。
釣り場では小田原のI田さんにも会い、二人並んで釣った。事務所近くのプールではライズがあったが、これがドライフライでは釣れなかった。困った僕はニンフを沈めて2匹を釣り、ストマックを見たが、捕食直後の虫は入っていなかった。やはり、水面のフライで釣った魚じゃないと何を食っているのかを知ることはできないのだった。ただ、極小(#30)のユスリカパターンに2度反応があったので、それが食っている虫に近かったんだろう。
僕は小瀬さんの日頃の働きを知っていたので、おみやげに「水に浮くフライとその作成法」と「フライフィッシャーの昆虫学」のおまけ(図版の別刷り)をプレゼントした。彼女はとても喜んでくれ、暖かいコーヒーをいれてくれた。
フライを工夫して、ちかぢかリベンジに行こうかと思っている。
