3月28日 術後3日目 この日から入浴可となった。肛門の痛みもすこしずつ軽減していて、精神的にも余裕が出てきた。3食後には外に煙草を吸いに出て、付近の路地を散歩したりしている。そしてこの日から狂四郎日記のアップデートを始めることができた。 ここで座浴のことを書いておこう。痔核(イボジ)の手術では肛門内の粘膜+粘膜下の拡張した静脈を切除する。切除した後は粘膜を縫い合わせないので、キズが露出した状態になる。だから術後に便をすると、便はキズを直接こすりながら出て行くので、とても痛いわけだ。また、排便時に肛門を締める筋肉が異常に強く収縮するので、その痛みが加わる。これらの痛みを和らげるのが座浴である。 座浴では、洋式トイレに別のトレー(写真ではブルー)を乗せ、その中に暖かい40℃くらいのお湯をはって、そこに腰掛けて、肛門部を湯の中につけて排便をする。これはやってみればわかるが、肛門が温まり、とても気持ちよく、排便の痛みもとても少ない。天の助けのような、いい方法なのである。排便がすんだら便は本来の便器に落として、トレーにお湯を流して洗い、ふたたびお湯をはって肛門部を数分間浸して綺麗にする。あとはトイレットペーパーでお尻の水分を吸い取れば終了。便の処理を自分でやるのが面倒だが、これくらいでナースを呼ぶのも悪いので、ボクは自分でやっている。気をつけなければいけないのは、便の一部がペニスや陰嚢(睾丸の袋)に付着すること。これが実に情けないというか、不愉快でね。女性の場合は割れ目に入ってしまうだろう。これを綺麗にするのにまさに糞との戦いが繰り広げられることになる。そして、この作業を1日に5回もやらなければいけない。糞戦記と名付けたのはこのことによる。 なぜ座浴を1日に5回もやらなければいけないかというと、5回排便があるからだ。朝起きて水を飲むと排便、3回の食事の後に排便、そして寝る前にも。前回に書いたが、軟便剤+大量の飲水+高繊維食によって便はとても柔らかく、5-7分粥くらいになっている。柔らかい便を出すことによって肛門のキズが早くなおり、排便時の痛みの軽減にもなっている。 この日あたりから排便に血があまり混じらなくなってきた。回診のドクターも「とても順調です」と言ってくれた。やれやれ。 |