4月23日(土)、24日(日)と二日続けて釣りに行った。 23日は相模湖天狗岩へ。天気予報では雨で、風は強い南風が吹くとの予想だったが、相模湖は丹沢の北側にあるので、風裏になると考えて行ってみたら、これが見事に的中した。小雨が一日降ったりやんだりだったが、風は無風に近く、気持ちの良い釣りになった。この日、釣りは4時でやめなければいけなかった。なぜなら、6時までに芦ノ湖の湖尻にあるロッジに行く約束をフライ仲間としていたからだ。この晩は宴会で、翌日は芦ノ湖での釣り(大会?)だ。忙しいのである。 船宿に8時頃に着くと、オヤジが 「いい日に来たねえ。今日は釣れてるよ」 「ハタいてます?」 「やってる、やってる。今日は雨だしね。最高の条件だよ」 と言う。 今回は秋川橋の少し上流の左岸の浮きオダ(竹や杉の木の枝を組んでつくった産卵床)で釣った。舟をミザオ(水棹、湖底につき刺した竹竿)に固定して準備していると、バシャッ、バシャバシャッという水しぶきをあげるハタキの音が聞こえてきた。心臓に悪い衝撃的な水音だった。見ると、目の前のオダの中や周りでもやっていた。巨大なヘラが水面に半身を出したり、体を横にして尾ビレで水面を叩いていた。水しぶきはときに空中1メーター以上にまで上がり、壮観であった!野生動物の種の保存行動には崇高さと迫力が伴うものだが、それが目の前で繰り広げられていた。ボクは釣りの準備をするべきか、写真を撮るべきか迷った。だが、次の瞬間、ボクはカメラを構えて写真を撮っていた。ボクは興奮していた。雨降りなのでデジ一は車に置いてきたし、キャノンS90のコンデジなのでうまく写真がとれるかどうか不安だった。 そしてやっと一息ついて釣りを始めた。ボクはオダに隠れているヘラを釣るにはオダの縁ぎりぎりで釣るのがいいと思い、そのように釣った。ところが、これが間違いであった。一日釣って6枚のヘラが釣れ、サイズは35~40センチメートルであり、その強烈な引きを楽しんだのだが、釣れてくるのはみなスレであった。夕方4時にオヤジが迎えに来て、そのとき聞いてみた。 「釣れたんだけど、みんなスレでねえ」 「オダすれすれで釣るとスレばっかりになるよ。食わせるにはオダから1メートルは離して釣らないといけないんだよ」 「あら、そうだったの。ボクはハタキを釣るのは初めてだからナア」 確かに、考えてみれば、オダすれすれで釣ると、ハタキのためにオダに向かっている気の立ったヘラがスレで掛かってしまうのだった。ものの本にも、ハタいているヘラは釣れない。ハタキに入るのを待っているヘラを釣れ、と書いてあったことを思い出した。なるほどなあ、オダの周りでハタキに入るのを待っているヘラを釣らなきゃいけないんだ、ということを初めて理解したのだった。 だが、40センチのヘラのスレ掛かりは強烈な引きだったナァ。普通のヘラ釣りの仕掛けでは簡単に切られてしまうだろう。この日のために用意した、鯉釣り用カーボン・グラス・ミックスの振り出し竿12尺、道糸3号、ハリス2号、15号の鉤の道具立てで取り込めたと思う。これだけ真剣に魚とわたりあったのはスティールヘッド釣り以来のような気がする。ま、スレであげられたのだから口に掛かれば楽勝だろう。 ハタキ(乗っ込み)は4-5月だけのものであり、もうしばらく、このハタキの釣りに入れ込んでみようと思っている。ちゃんと口に鉤を掛けて釣らなければいけない。 |