9月27日(土)。曇り。 今日は藤プリントのM口さんとアメマス釣りだ。アメマス釣りには遡上量の多い茶路川と音別川がいい釣り場なのだが、今は川の水位が低く、釣りが難しいとのことで、音別川河口に釣りに行った。潮回りも考慮に入れ、朝6時からの釣りになった。 行ってみると、水面にモジリがあり、ウーリーバガーを沈めてリトリーブすると、すぐに釣れてきたのは50センチメートルほどのアメマスだった。M口さんは”アメマス釣りのプロ”(もちろん本当のプロではない。これまで一緒に本を出版してきた古い釣友で、本物のプロもかなわないアメマス釣り師)であり、彼の言うとおりにすれば釣れるのだった! ある程度は回遊があるようで、釣れない時間もあったが、コンスタントに釣れ続けた。そして、ボクに大物が掛かった!鉤掛かりした直後に水面に躍り上がった魚体は茶色く巨大であり、サケであった。その釣り場はほぼ止水であり、4エックスのティペットなので、ゆっくり時間を掛けて取り込んだのは80センチメートル近いオスのサケだった。いやあ、驚くやら、うれしいやら。 この日3時頃まで釣って、ボクと山田君はそれぞれ30匹ほどもアメマスを釣った。ボクが釣った最大のアメマスは55センチメートルほど。今回ふたたび感じたのは、アメマスはほんとうに美しい魚だということ。そして、何と言っても、日本の天然の鱒なのであった。その尾びれの先はその事をさも自慢しているかのようにするどく尖っていた。 午後からは向かい風となり、6番9フィートの竿を投げ続け、たくさん魚を釣って、”幸せな疲れ(英語ではハッピータイヤーと言う)”を感じたものだ。 この日は「軒(のき)」という店で夕食会となった。会場に行く途中、釧路の歩道にはサケの浮き彫りがあった! 参加は我々2人と、M口さん、H田さん、そしてO野さんの5人。O野さんは釧路在住のイラストレーターで、「ふらい人」や「フライロッダーズ」にイラストを書いておられ、ボクはそのイラストがとても気に入り、3年前に原画を購入したいとO野さんにお願いしたらすぐに送ってくれ、お金は要りませんと言ってくれたのだった。その絵は額に入れて現在ボクの診察室の壁に飾ってある。今回ボクが釧路に行くのにそんな方を夕食に招かないわけにはいかない。(実はこの二日後にO野さんと再び会うことになったので、Part Vあたりで彼のイラストをお見せしよう) 夕食会では、おいしいものが次から次へと出た。ことにキンキの唐揚げは絶品だった。ボクはかなり酔ってしまい、どんな話題が出たか、あまり覚えていない。 釣り人は釣り、飲んでは騒いで、ホテルにもどって死んだように眠り込んだのだった。