7月11日、今年初めて忍野桂川に行った。ここは標高が高いので涼しいし、湧水なので少々雨が降っても増水はわずかであり、釣りが出来るのがいい。 お昼頃に着いて、昼食に柳原うどんを食べた。いわゆる吉田うどんであり、硬い。冷やしたぬきを注文して運ばれてきたのを見ると天かすが入っていない。注文を間違えたんじゃないかと聞くと、テーブルにおいてある天かすを自分で入れるんだそうだ。そこそこにおいしく、驚いたのは値段であり、350円であった! 入漁証を買い、釣り場に行くとK木さんは先に来て釣っていた。ボクは並んで釣り、なんとか1匹を釣ったところでモウレツに暑さを感じ、木の下の日陰に逃げこんだものだ。 4時ごろだったか、ボクは彼と一緒に自衛隊橋の上流側の、ボクがよく釣る場所に行った。ライズがあったが、何を投げても釣れず、夕暮れが近づいてきていたが、ボクはそこでのボウズを覚悟していた。友人も釣れていない。そんなとき、上流側で妙齢のご婦人がたて続けに2匹釣ったのには驚いてしまった。どこかで見たような方だったが、思い出せなかった。 さて、我々の法はと言うと、ライズはだんだん激しくなり魚がヘッドアンドテイルでライズしたり、上半身を水面上に出したりしてライズし始めた。ボクはほとんどあきらめて座り込んでしまったが、友人はフライを交換しながら釣り続けていた。2時間くらいは経過したんじゃないだろうか。ボクが「アントはどうかな」と言うと「もうやりました」と言う。そして、終に彼が魚を掛けた。「ほほう、やっと出たねえ。フライは何なの?」と聞くと「赤いボディのヤツです」とのこと。そして彼はそのフライでたて続けに4-5匹を釣った。一度なんか、フライにドラッグがかかってツーッと流れているのに、ヤマメが下流側に追いかけてきて食ったのだった。「ありゃあ、フライだね。よっぽど旨そうに見えたんだろうね。キャスティングのテクとかまったく関係ないね」と言ってしまった。彼は「そこまで言わないでも・・・だけど、フライが当たったことは間違いないですね」と認めた。 ここでボクはストマックポンプを持ってきていなかったことを悔やんだ。フライがハッチ・パターンとして当たったのか、それとも単に旨そうに見えたのか、そのどちらであったかを判定するには鱒が食っている物を確認する必要があったのだから。 彼の許可を得てその時のフライをお見せしよう。フックは17番、赤い色のエクステンドボディで、TMCモルフォファイバーのレッグが付いている。 アカマダラが羽化していたのか、スピナーフォールだったのかもしれない。残念なことをしたと思った。 だけど、ボクはほんとうに驚いていた。あるフライに換えたとたんにバタバタと釣れたんだから。 この日はレストラン「いねや」に初めて行き、店の自慢のビーフシチューを食べた。ボリュームもあって、とてもおいしかった。 ここでは、今ボクが準備中の「ある毛鉤釣り師の足跡(仮題)」の下書きをK木さんに読んでもらっていたので、その感想を聞いた。彼はとても参考になる意見をいくつも言ってくれ、ありがたかった。そして、隣のテーブルに居た人が、わたし先生のフェイスブックのともだちでK崎と言います、と言ってこられ、同席しての釣り談義となった。 フライフィッシングの世界というのは小さな世界でね、ボクも妙なことをしていたら見られていると思わなくちゃいけないと感じたものだった。